スタイルが決まったら形です!
引き続いて今回もテントのお話になります。前回の記事では「テントを選ぶ際にスタイルも決めよう」という趣旨のお話をしましたが、同時に決めたいのがテントの形(タイプ)になります。一概には言えないのですが、テントのタイプは設営の難しさをほぼ決定します。
初心者の方が難しいテントを選んでしまうと、せっかくの楽しいキャンプ時間が設営で減ってしまいます。おまけに疲れて遊べなくなってしまったり……。そうならないためにも、どんなテントがあるのか、タイプ別に見ていきましょう。
ドーム型
初心者の方への入門編としてオススメしたいのが、このよく見かける丸っこいタイプ。たいてい2〜3本の骨組み(ポール)に、幕(シート)を引っ掛けたり、被せたりすれば完成します。
とはいってもそれは1〜4人用ドームの話で、グループで使う大型のドームや高機能な製品になると、途端に難易度が上がります。前室のついている2ルーム型のドームテントとなると、初心者は設営に2〜3時間かかかってしまったり……。
ワンポール型
次に組み立てやすいのが、テントらしいこの3角形のタイプ。真ん中に一本のポールを立てて、周囲をペグで引っ張ることによりテンションを保つ仕組みです。地面が硬い時には付属品のペグでは心許ないので、頑丈なペグを別に購入した方が良いでしょう。
こちらも大型のタイプになると、打ち込まなくてはならないペグの数も増えていって、設営が大変になってしまいます。円錐型の「ティピーテント」や内部空間の広い「ベルテント」など、おしゃれなものが多いのですが、いつまでもハンマーをカンカン、カンカン……腕が疲れちゃいます。
トンネル型(かまぼこ型)
逆U字に曲げたポールを平行に並べて立ち上げ、前後をペグで引っぱって張ります。慣れればそれほど難しくはありませんが、初心者のうちは避けた方が良いかも。山岳用に軽量化されたコンパクトな型と、パーティーでも出来そうな超大型と、両極端なバージョンがあるテントです。
ロッジ型
おしゃれキャンパーの代名詞。家族を持ったらいつかは……と憧れてしまう存在です。ヨーロッパのアンティーク品となると、ちょっと手が出せないお値段なのですが、現行品もそれなりはします。設営もそれなりに難しいので、ビギナーの方はしばらくの間、「憧れ」としてとどめておいた方が良いでしょう。
ワンタッチ型
「簡単な順に」と言いながら、最後に一番簡単なタイプをご紹介。エアポンプで空気を送り込んで自立させるタイプや、ワンタッチ折り畳み傘のようにコンパクトな状態から「ガバッ」と展開するタイプなど。最近は、驚くようなギミックを持つ製品がリリースされています。
テントは沼の入り口
その他にも「ツーポール型」「パップ型」などもスタンダードですし、中には「ハンモック型」や「水上テント」などの変わった形状のものもあります。ですが、ビギナーの間は大別して上記の5種類くらいを把握していれば十分だと思います。
「沼」にハマればハマる程こだわりが出てきて、要求することも多くなってくるのがテントのディープな世界です。最初はあまり高額なものに手を出さないのが吉でしょう。実質2万円〜5万円くらいのもので十分だと思います。
ですから前回の「スタイルで選べ」と今回の「タイプを選べ」程度を参考に「可愛いもの」「格好良いもの」を購入しちゃってかまいません。ひとつのテントを存分に使い切ってこそ、さらなる自分の「ニーズ」に気づけるはずですから。沼にハマるのはあくまでも徐々に……徐々に……。