閑話休題(?)
テントも組み上がったら、ここら辺で「ちょっと一休み」いたしましょう。「入門」と銘打って連載を更新し続けていくと、どうしても「説明」することばかりが多くなっちゃっていけません。
「入門」といえどもキャンプ本来の「原点」に立ち戻りましょう。そもそもはレクリエーション、余暇、遊びです。やらなきゃいけないこと、学ばなければいけないことに追われるようになっては本末転倒です。
ということで、「ペグの打ち方」や「テントの立て方」よりずっと大切なのはこちらの方かもしれません。「キャンプを楽しむ!!」これが今回のテーマになります。そして「女子キャンプ入門」の本来のテーマも「楽しむ!!」です。
「目的キャンプ」と「手段キャンプ」
編集長の森風美が時々こう呼んで、使い分けを説明しているのですが「目的キャンプ」と「手段キャンプ」……ちょっと分かりにくい呼び名ですよね。でも大切なことを言っていると思うので、整理してみましょう。
*「目的キャンプ」
名前の通り「キャンプ」そのものを「目的」にしている遊び方です。こだわりを持ってキャンプ場を選び、お気に入りのギアを展開して、触れたかった「自然」を満喫する……ゆったりとした時間の過ごし方をお勧めしたいスタイル。
*「手段キャンプ」
メインの目的は「釣り」や「登山」など他にあって、「キャンプ」は単なる宿泊の「手段」に過ぎないという遊び方。ホテル代を浮かすため……というよりは、夕方や早朝などギリギリまで時間を有効に使うための「手段」にするということです。
そして初心者である「女子キャンプ入門」の読者さんは、前者の「目的キャンプ」をまずは体験、習得すべきだと思います。キャンプに慣れるまでは、設営や火起しで手間取りますから、それ自体を目的にするべきです。
キャンプのついでにSUPもしたい、ラフティングもしたい、ツーリングもしたい……と欲張ってしまうと、ヘトヘトに疲れてしまいますし、ちょっとしたトラブルで予定が大きく振り回されてしまいます。
達人に学べ!
でも普通のキャンプ場のチェックイン時間(11時〜13時くらいが多い)に入って、滞(とどこお)りなく設営が終わってしまうと、夕飯や焚き火までの間に、けっこう時間が空いてしまうんですよね。
ここで忙(せわ)しない人は、何かじっとしてられなくて、アセアセと動き回ってしまいがち(実は筆者もそう……)。ですが「なちゅガールメンバー」の達人たちの動画を見ると、皆さん実にゆったりとキャンプの「お外時間」を楽しまれていることに気づきます。
代表格は「野外のもりこ」さん。愛車のN-VANで、設営の手間も少ない車中泊スタイルを採用しながら、主に本を読んだり、マンガを読んだり、好きなYouTubeを見たりしながら過ごされています。
編集長の森風美は「ゲーム」と「プロジェクター」鑑賞。自然の中で焚き火をしながら、『ゼルダのブレスオブワイルド』内でも焚き火を楽しむという、リアルとゲームの二重生活(?)。『モンハン』や『どうぶつの森』でも同じようなコトをやってたり……。
究極は前回の入門でもご紹介した「まるみ」さん。大自然の中での「お昼寝」なんて、最高の贅沢なんじゃないでしょうか? 皆さん、アウトドアに身を置きながら、想像以上にインドアな時間を過ごされているんですよね。
「何もしない」を「する」!
今回の提案は、ただ「だらだら」しようと勧めているのではなく、初心者のうちは何かと設営や撤収で手間取ったり、テントで寝慣れなかったりして、消耗したり疲れちゃうことが多いので、「時間と気持ちにゆとりを持ちましょう」という進言です。
「デジタルデトックス」なんて言葉も、キャンプ界隈ではよく耳にしますが、ゆったりとゲームをしたり、映像を観たりするのなら、デジタルも悪いものではありません。それぞれ自由に、自分に合った時間を楽しめれば良いのだと思います。
それでも筆者のように「そわそわ」「せかせか」しちゃう人は、こちらのHowdyJohnnyの動画でも観て「何もしないをする」の境地を学びましょう。次回からは「焚き火編」に入って、もう一つの関門に突入する予定ですが、その前にキャンプの極意を確認しておきましょう。