家電芸人集合!!
ちょっと難しいお話から始まった電源編。でも、直流の電源なのか、交流の電源なのか。インバーターを使うのか、使わないのか。「前回の記事」をご理解頂くと、車内で使える電気製品に違いがあることが見えてきたと思います。
となると、では実際に「軽キャンパー内で使う家電製品にはどんなものがあるのか?」がお気になると思います。今回はその「交流(AC)直流(DC)の繋げ方」に新しく「消費電力の多寡」の要素をプラスしてお話していきます。
サブバッテリーから直接給電
ビルダーさんによって既製品として売られる軽キャンパーには、最初から「サブバッテリー」に接続の電気機器もあります。標準装備となるものと、オプション装備となるものがありますが、消費電力別に3つに分けて、羅列してみましょう。
*消費電力「少」(50W未満)
・室内灯
・ギャレー(水道のポンプ)
・ファン(換気扇)
・FFヒーター
*消費電力「中」(50W〜800W)
・(エンゲル)冷蔵庫
・テレビ
*消費電力「多」(800W以上)
・エアコン
・電子レンジ
思案のしどころは「エアコン」「電子レンジ」などを設置するかどうか。冷蔵庫ぐらいまでなら、サブバッテリーひとつでまかなえますが、1000Wレベルの家電となると「サブバッテリー2台」か「リチウムイオンバッテリー」で容量を増やす必要が出てきます。
しかも室内の狭い軽キャンパーですから、クーラーや電子レンジ、そして増設したサブバッテリーなどで、大切なスペースが圧迫されちゃうのも考えもの。備え付け型だと気軽には外せませんから、よくお考えください。
ACコンセントから給電
そもそも「コンセント」は、家庭で普通に使用するプラグですから、その電化製品の数は無数にあります。キリがないので、その中でも車中泊に使いそうな家電を並べてみました。サブバッテリーをご使用の場合は「インバーター」を挟む必要があります。
*消費電力「少」(50W未満)
・照明(ランタン)
・スマホ/タブレット充電
・扇風機(USBファン)
・空気清浄機
*消費電力「中」(50〜800W未満)
・ヘアアイロン
・電気毛布・アンカ
・炊飯器
・冷蔵庫
・テレビ
・パソコン
*消費電力「多」(800W以上)
・ヘアドライヤー
・IHクッキングヒーター
・電気ポット
・電子レンジ
・クーラー
よく車中泊女子の間で話題となるのが「ドライヤー」です。小さくても消費電力が高く、1000Wを超えないと不満に感じる方も多いはず。あきらめて「温泉やスーパー銭湯のドライヤーで済ませちゃう」という妥協案との葛藤になります。
そして定格電力。サブバッテリーにつなぐインバーターも、車内に持ち込むポータブル電源も、400W、800W、2000W……などと出力が上がると価格も高くなります。ご自分の予算と用途に合わせて選びましょう。
シガーソケット(DC)から給電
車特有の丸い筒型のソケット。直流(DC)の電源から動かすことができる家電は、元から「車載用家電」として製造されています。その数は決して多くなく、消費電力を抑えるように設計される傾向があります(全てではありませんが)。
通常は車のダッシュボード(インパネ)から給電するので、メインバッテリーに負担をかける訳にはいかないのです。シガーソケットからUSBに変換するプラグなども、スマホ充電などに用途が限られています。
*消費電力「少」(50W未満)
・スマホ/タブレット充電
・USBファン
・電気毛布(車載用)
*消費電力「中」(50〜800W未満)
・炊飯器(車載用)
・湯沸かしポット(車載用)
シガーソケットはよく「12V電源」とも呼ばれます(大型トラックなどは24Vのものも)。炊飯器や湯沸かし器のような、結構な電力を消費するように思える電気製品であっても、その容量を減らすなどして消費電力を抑えています。
判断は800Wの間!?
いかがでしょう? 前回同様、ちょーっと難しい部分もあったかもしれませんが、要はご自分がどんなスタイルの軽キャンパーライフをお送りになりたいかです。消費電力(中)で済ませるか、(多)まで増設するかで悩む人が、実際は多いと思います。
1泊だけして帰ってくるような遊び方なら、大型家電はさほど必要ありません。充電も気にしないで済みますし、短い間なら我慢できることも多いです。特に保冷は、クーラーボックスと氷だけでまかなえます。
しかし日本一周のような長期の車中泊生活をされる方は、冷蔵庫が必須だと言われます。車内調理の機会も増えてくるでしょうし、電子レンジやIHヒーターも欲しくなるかもしれません。でもそうすると同時に充電の心配も出てきて……
どう充電して、どう蓄電するのか? 次回は電源システム全体を考えながら、軽キャンパーの注文時、あるいはDIYカスタム時に、選択すべきオプションを考えていく予定です。