新章突入!!
ちょっとだけ長かった「焚き火編」が終わりました。火が起こせるようになったところで、今回からは調理編……「キャンプ飯を作ろう!」というシリーズが始まります。楽しみながらお読みいただければ幸いです。
キャンプ飯といっても、 基本的にはご家庭で作るお料理と変わりはありません。ただ作るための道具、特に火元が変わってくるだけです。不便になるところもあるけれど、戸外でしかできない豪快なお料理ができるのもキャンプ飯の魅力です!
今回は「道具編」ということで、どんな調理器具があるのか、どんな道具が必要なのか。そしてどんな「組み合わせ」で使うのか。肝心の熱源とともに、ビギナーさんが失敗しやすいところもご説明していきます!
焚き火でお料理
まず最初に気をつけたいのは、薪から燃え上がる炎で「お肉」を直接焼かないこと! これは筆者の実体験による失敗です。外側ばかり焦げちゃって、中まで火は通りません! お肉を焼くのは「炭火」です。
また、お鍋やヤカンの使用も注意です。焚き火の煤(すす)でまっ黒になっちゃいます。一度ついた煤は、ライフハックを使ってもなかなか取れません。ダッチオーブンやスキレットのように元から黒いものならOKですが(それでも煤はつきます)。
《焚き火に向いた調理器具(料理)》
*ダッチオーブン(カレー/鍋物/炊飯)
*スキレット(アヒージョ/アクアパッツァ)
*中華鍋(チャーハン/回鍋肉/青椒肉絲)
*ホイル焼き(野菜/海鮮/焼き芋)
*飯盒(炊飯)
炭火でお料理
焚き火の薪が燃え尽きて熾火(おきび)になったら、「お肉」を焼くのにおあつらえ向きになります。あるいは最初から木炭を使ったり。『美味しんぼ』の山岡さんも「ガスと違って炭火は水分が出ないので素材が美味しく焼ける」と言っています。
炭火でも煤(すす)は付きますから、アルミやステンレスのお鍋は避けた方が良いでしょう。炭火はBBQのようにアミ(ロストル)を使って焼くのに向いています。あとは均等に熱が行き渡るので、ホットサンドなどにも向いてます。
素材を美味しく焼くには最高の炭火ですが、なかなか着火しにくいという難点もあります。特に難易度の高い備長炭は、ビギナーにとっては失敗の元。焚き火を燃やし尽くして熾火(おきび)にしちゃった方が早いぐらいです。
《炭火に向いた調理器具(料理)》
*ダッチオーブン(ローストビーフ/手作りパン)
*スキレット(オムレツ/パンケーキ)
*ホイル焼き(ガリバタ/ちゃんちゃん焼き)
*鉄板(焼きそば/鉄板焼き)
*ホットサンドメーカー(ホットサンド)
カセットコンロでお料理
カセットコンロに限らず、キャンプでは「シングルバーナー」や「ツーバーナー」など、家庭と同じようなコンロも熱源に使えます。以前は「ホワイトガソリン」などの液体燃料が主流でしたが、今はもっぱらガス缶(カートリッジ)ですね。
家庭のコンロと同じような安定した火力が供給されますので、フライパンやおなべが同等に使えます。またお料理も、茹でる、炒める、蒸す、揚げる……ほとんどのことができます。キャンプ場で天ぷらを揚げてる人まで見たことあります!
初心者のうちは、メスティンからダッチオーブンまでのキャンプ用器具も、まずはカセットコンロで使って、慣れておくのも良いですね。でもせっかくですから、キャンプの醍醐味「焚き火」「炭火」料理にも、ゆくゆくは挑戦してください!
ソロ用ストーブでお料理
「アルスト(アルコールストーブ)」や「ポケットストーブ(固形燃料)」は、火力は弱いのですが、ガスが苦手とする高山や低温に強いので、アルピニストにも愛用される玄人感のあるアイテムです。
用途はほぼ「お湯を沸かすだけ」に限られてしまうのですが、炊飯、麺類、煮物、スープ、蒸し料理……などの活用法に皆さん工夫を凝らされています。インスタントだって格好良く、そして美味しく感じられてしまう魔法を持っているように感じます。
《ソロストーブに向いた調理器具(料理)》
*コッヘル・クッカー(麺類/スープ/おでん)
*メスティン(炊飯/パスタ/蒸し料理/炒め物)
*小型蒸し器(中華まん/肉野菜蒸し)
*シェラカップ(スープ/味噌汁/ホットドリンク)
キャンプ料理は♾!!
代表的な調理器具とお料理を紹介してきましたが、別に上記の区分に縛られる必要はなく、様々な熱源と様々な器具を組み合わせて、そこに様々なメニューを掛け合わせれば、キャンプ飯の世界は無限に広がっていきます!
ただ、焚き火や炭火、アルストや固形燃料は、普段のご家庭では使われることのないキャンプ特有の調理法になります。最初のうちはスタンダードなメニューから挑戦した方が、失敗も少なく済むでしょう。
慣れてきたら、なちゅガールの「外ごはん」レシピや、メンバーのYouTube動画などを参考にして頂けると嬉しいです。編集部の失敗も含めて、たくさんの学びが得られると思います!