「ニチネントップ」登場!!
キャンプブームも1周廻ったのか……最近こんなものにも俄(にわ)かに注目が集まるようになってきました。缶入りの固形燃料「ニチネントップ」です。調べたところ40年以上も前から存在する定番商品なのようですが……。
おしゃれキャンプどストライクな可愛さよりも、ちょっとレトロで、垢抜けなさも感じられるこのくらいのテイストが、まさに「なちゅガール」好み♡ 価格もこの250g缶で500円前後とリーズナブル。今回はこちらの商品をピックアップいたします。
「ダイケントップ」登場!!
さらには、こちらの「DAIKEN TOP」なる謎の固形燃料も召喚。こちらは編集長、森風美の祖父の家から発掘されたという謎のオーパーツ。いつの時代のものかも分かりません。ネットで調べてみても、何の情報もHitしませんでした。
前面には「キャンプ用携帯燃料 Solid Fuel For Camping」と印字されており、しっかりキャンプ用品であることを主張しています。しかし商品名は見当たらず、裏面にも、上面にも、使用上の注意や説明などが書いてあるのみ。
そして側面に、おそらく会社名であろう「DAIKEN TOP CO.,LTD. OSAKA」の文字が控え目にプリントされているだけ。商品名ではないかもしれませんが、編集部では仕方なく「ダイケントップ」と呼んでいます。
五徳付き固形燃料
要は「水色の小さな固形燃料(旅館の一人用お鍋でよく付いてくるヤツ)」と同じなのですが、あちらは一度火を点けると、燃え尽きるまで消火できません。それが好きな時に鎮火できて、繰り返し使えるようになったものです。
それとどちらも五徳が付属されていて、1ℓくらいまでのケトルやシェラカップなら、上に載せられるのも便利ですね。「ニチネン」は一度折り上げた五徳を都度たたまなければ携行に不便ですが、「ダイケン」は缶に巻きつけるだけでOK。
水を沸騰させてみました
どちらも愛らしさバツグンの製品なのですが、実用性もちょっとだけ検証しておきましょう。炎の立ち上がり方も気になるところですが、シェラカップに水を入れて、沸騰するまでの時間も計測してみます。
シェラに水を入れると容量は200ccほど。クーラーの効いた室内で、温度は25℃。水温は23℃。五徳はそれぞれに付属のものを使用しますが、「ダイケン」の方は径がφ12cmもあるので、シェラカップが沈み込んでしまいます。その分ちょっと不利かもしれません。
そしてその結果は、意外なことに……!? 「ニチネン」の方は小さくてもおよそ5分で沸騰したので、「まぁそんなものかな?」と思ったのですが、なんと大きな「ダイケン」の方は最後まで沸騰し切りませんでした〜。小さな気泡は「ニチネン」と同じ頃から沸き始めていたのですが……。
敗因はやはり、シェラカップが沈み込み、炎との距離が近くなり過ぎた……というか炎を押しつぶしてしまったせいでしょう。消火寸前のようになっていましたからね。小学校の理科でも「炎は先端がいちばん高温である」と習いましたし……。
ただ、火力自体は、大きい分だけ「ダイケン」の方が強いようですね。「ニチネントップ」にはさらに径がφ13.9cmと大きくなる「650g缶」も存在しますので、用途に合わせてサイズを選ぶと良いでしょう。
短所もちらほら……
ここまでは良いところを中心に、何と言っても可愛いところからご紹介してまいりましたが、やはり欠点……扱いにくいところも多少あります。結構あります。ご購入の際は、ご注意ください。
*使い終わると皮膜ができる
写真でご覧のようにカスのような膜ができて、次回に使うときは、ナイフなどでその膜を剥がして捨てることが推奨されています。そのままでも着火できないことはないんですが、溶けるまでは火力が小さくなり、その時間もけっこうかかります。
*使っていくと火力が弱まる
単純に、中の固形燃料の残量が減ってくると、炎の発生位置が下がってしまい、五徳までが遠くなります。結果として、少しだけ火力が弱くなっちゃうかな? あと実際に使用していると、残りを丁度良く使い切るのもちょっと難しいかな?
*蓋が開けにくい
マイナスドライバーがあれば一発ですが、隙間が狭いので車の鍵やハサミの先端では、厚すぎて開けられないんですよね。ナイフなどでも良いんですが、オピネルみたいな薄手のものは、刃が欠けそうなので気をつけてくださいね。
*蓋が締めにくい
開けにくいのに、閉めにくいんです。いや閉めるのは上から押せば簡単に閉まるのですが、すぐにまたポンっと開いちゃうんですよ。本体が十分に冷えてないと。中の膨張した空気に押し上げられるせいで。十分に冷ました後なら、簡単に閉まります。
安いですから試しに……
もうとにかく可愛くて、お気に入りの「ニチネントップ」くん。有孔ボードっぽい五徳が魅力的な「ダイケントップ」くん。ちょっと欲しくなってきた人もいらっしゃるのではないでしょうか? (「ダイケン」くんはたぶん廃盤ですが……)
コンパクトで、五徳と燃料の一体型。カセットコンロやアルコールストーブなどの他の熱源と比べても、防災用品には最適です。キャンプ用だけでなく、少し多めに買っておいて、避難袋にひとつしのばせておくのも良いですね!
もちろん、五徳を外して手持ちのギアと組み合わせても、あなた独自の使用法を編み出せます。旅館のように一人お鍋にかけてみたり……、熱燗を熱してみたり……。「行け! ガンバスター!!」って感じで、あなたも「トップをねらって」みませんか(結局これが言いたかっただけ)?