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入 門
軽キャンパー入門*38
『軽キャンパーのトイレ事情』

すみませんっ、忘れてました!!

前回の「結露」のお話で当連載を締めくくろうと予定していたのですが、ひとつ「オプション」を忘れていました。オプションシリーズは4つ前の「第34回」で終わっていたはずなのに。大事なものを忘れていました。「トイレ」です!

出るものは出るのが人間の摂理ですから、「トイレ」のことも考えなくてはなりません。大きなキャンピングカーに付いているトイレは、テレビや雑誌、キャンピングカーショーなどでご覧になったことがあるかもしれません。

中には「シャワー」まで付いている豪華キャンパーもあります!

ところが軽キャンパーとなると、何と言っても狭いですからね。壁で仕切って、個室となるトイレのスペースを作るのは困難です(何例かは見たことはありますけど)。かといって、オープンで用を足すのもあんまり……。

ということで、ビルダーさんで作る軽キャブコンであっても、トイレがオプション表に含まれることはほぼありません。軽バンコンなら、なおさら。オプション表にも載ってないので、すーっかり忘れていたのです!




キャンピングカーのトイレ

ということで「軽」には縁遠いトイレですが、念のため、一応、キャンピングカーのトイレがどのようなものか、知識としては知っておきましょう。もちろんお家のように水洗トイレで下水にジャーッという訳にはいきませんから。

すると汚水をどう処理するのか? ……ってところが問題になりますね

*ダンプステーションに流す
キャンピングカー専用の汚水排出設備です。大型キャンピングカーには、室外に汚水を溜めるための「ブラックタンク」が設置されているものがあります。ホースをつないで排水レバーで流すだけ……という非常にスマートな方式です。

汚いものを見ずに済むのがなによりものメリットですが、設置されているキャンプ場や道の駅は、まだまだごく僅か。また、自宅にダンプステーションの設備のある家はまずないでしょうから、現在の日本では主流とは言えません。

キャンピングカーの本場アメリカでは、けっこう普及しているらしいですよ〜!

*トイレに流す
すると「カセット式」とか「ポータブル式」などと呼ばれる方式で、汚水を溜めたタンクを自分の手で流さなくてはなりません。タンクが便器の下に付く簡易的なものから、室外に設置されるビルトイン式のものまで、いろいろありますが、問題は匂いと見た目。

水色や緑色に着色されたクリーナー液で分解したり、油を捨てる時のように凝固剤で固めたり、圧着式のラップ(ビニール)に封じ込めたり……さまざまな方法で、車内に匂いが漏れないように工夫されています。

後は家のトイレに流したり、ビニールごと「燃えるゴミ」に出したりしておしまい。恐れているほど汚かったり、臭かったりするはめにはならずに済むそうです(筆者は未経験)。くれぐれも道の駅のトイレや、公共のゴミ箱に捨ててはいけませんよ。




軽キャンパーのトイレ事情

それでは、トイレのない軽キャンパーがどうしているのかというと……普通の乗用車と同じです。キャンプ場ではトイレ棟まで歩いて行きますし、車中泊の時はトイレのある場所を最初から選びます。

ドライブ中はPAやSA、コンビニのトイレを借りたりもするのですが、これも乗用車と同じですね。筆者も長年そうしてますし、10連泊の長旅に出たりもしましたが、特段それで困った経験はありません。

ところが、キャンピングカーのトイレ設置をススメる記事では、渋滞にハマった時や、トイレのない場所での車中泊を想定し、強くトイレの必要性を訴えてきます。独断から言わせてもらえば、そこまでする必要もないんじゃないかなぁ……と思うのですが。

次にその実例(汚い話)をもって、根拠を力説したいと思います!!



根拠は実体験

情けない話をしますと、実は先日、かなりのピンチに襲われました。おそらく人生最大だったと思います。「小」ではなく「大」の方です。お腹を壊していている時に、首都高で大渋滞にハマり、急激な痛みに襲われました。最寄りの出口は2kmほど先。

ジリジリとしか進まない渋滞の列。訪れた山場は3回くらい。20分ほどして左ウィンカーを出して、一般道へと降りられました。が!! なんということでしょう。一般道なら何かしらお店があるだろうと思っていたその道は、面しているお店が何もないバイパス!!

初めて降りるICだったので、下の道がどうなってるのか知らなかったのです

しかもそのバイパスが、首都高以上の激混み!! 1kmほど先の最初の交差点まで進めばバイパスから抜け出せそうですが、列はまったく動きません。赤信号が青になった時、進める車は10数台だけ。その先も車が溜まっているので、直進できないパターンです。

永遠にも思えるその苦しい時間が、いったいどれほど続いたのでしょう? 夢中だったので、今ではもう分かりません。ただ、訪れた山場は5〜6回以上。ようやく青信号まで辿り着き、左折をしたら、最初のお店で小走りでダッシュ。どうにか間に合いました。

つまらない上に、汚い話ですみませんでした



危機はめったに訪れない!?

こんなに詳細な話をする必要はなかったのかもしれませんが、これでもうお分かりでしょう。こんな時、後部にトイレがあっても、まったく使うことはできないのです。ドライバーが運転席を離れるわけにはいきませんから。

渋滞時は車を脇に停めることもできませんしね

そしてまた、もっと言えるのは「こんな危機はめったに訪れない」ということです。この時は人生最大の危機だと感じましたが、その前の記憶はというと……何年前かな? よく思い出せません(その時は「小」でした)。

結論。稀に我慢しなきゃいけないことはあっても、そうピンチにまでは発展しませんし、余程のピンチになった時も、ドライバーには役に立たない事が多いのです。すると費用とスペースをかけてまで「トイレって本当に必要かな?」って、考えちゃうのです。

必要性を考えましょう

大型キャンパーで余裕があるなら、あった方が絶対安心のトイレ。軽キャンパーの場合、邪魔になってしまうことの方が多いかもしれません。いざという時のために、「簡易トイレ」も各種販売されていますから、それを一つ常備しておくくらいで良いでしょう。

ただ、小さなお子さんがいらっしゃったり、ご自分の体質から心配が予想される人は、オプション注文というより、後から購入された方が良いかと思います。ポータブルトイレなら値段も張りませんし、必要に応じて積み降ろしできますから……。

なんと、トイレの話で「軽キャンパー入門」最終回でしたっ! おあとが宜しいようで……










Author
なちゅガール編集部
アウトドアの楽しさをお伝えしたくて、日々おもしろいことを探しています。皆様からの情報提供もメールでお待ちしています!! また記事につきましては正確を期しておりますが、最新の情報や価格については都度お調べください。