タープについて考える
「安く手軽に始めるキャンプ」を標榜してきた『女子キャンプ入門』ですので、タープは贅沢品と考えて、後廻しにしていました。無くても済むものならお金や、運搬や、設営の負担はできるだけ減らそうという方針です。

あらためてタープについて考えてみると、「無かったら無くても良い」し「あったらたあったで良い」……という結論になるかなぁ。無責任に聞こえますが。先にその理由から挙げていきましょう。
タープは不要?
*難しい?
まずタープの難点としては、設営が難しいことが挙げられます。慣れてしまえば何てことないのですが、初心者のうちはテントの設営より手こずるかもしれません。特に1人での設営となると、ポールを立ち上げるのが一苦労です。

*かさばる?
設営を簡単にしようとすると、「スクリーンタープ」や「ワンタッチタープ」になるのでしょうが、重くて嵩張るものが多いです。タープの下のリビングは、テント(寝室)より広い空間が必要なので、仕方ありませんね。
*付いてる?
ソロキャンプなら、タープを別途購入しなくても、「ドーム型」や「パップ型」に庇(ひさし)が付いているものも多く存在します。ファミリー用の大型テントでも、「2ルーム」や「かまぼこ型」などなら不要です。

タープは必要?
*日除けとして
林間サイトならともかく、だだっ広くて遮るものがないサイトでは、夏の直射日光に閉口することもしばしば。タープがないとやってられません。特にお肌が気になる女子としてはなおさら?

*雨よけとして
タープの恩恵を一番に感じるのは突然の雨です。特に撤収時の降雨にはありがた〜い存在。タープの下で全ての荷物をまとめ上げ、タープの天幕は最後にゴミ用ビニール袋に突っ込んでGoできちゃいます!
*雰囲気作りに
でもでも、個人的に感じるタープ最大の魅力は「くつろぎ空間」を演出できること。日が照っていなくても、雨が降っていなくても、夜間でも、タープがあると何故かゆったり落ち着けるんですよね。
四角い「ワンタッチ型」ならファミリー感、「ヘキサ(六角形)」や「レクタ(四角形)」ならプロっぽさ、ソロの「ウィング型」なら孤高間まで演出できて、写真に撮っても画になります。

タープの種類とオススメ
それでは主なタープの種類と、それぞれのオススメ品を、独断と偏見でお伝えしていきます。種類別の呼び方は各メーカーまちまちで、統一された呼称はないのですが、とりあえず大きく3つに分けました。
*一枚布のタープ
「ヘキサタープ(6角形)」「レクタタープ(4角形)」が主流ですが、「ペンタタープ(5角形)」「ウィングタープ(菱形)」なども。個人的な見解ですが、ソロキャンなら断然一枚布が格好良いっ!!
*スクリーンタープ
「ドーム型」や「ロッジ型」のテントが大きくなったような趣き。側面全てがスクリーン(網戸)になったものが多く、夏の虫を避けつつ一家団欒の一体感を提供してくれます。設営が大掛かりで、荷物になるのが玉にきず。
*ワンタッチタープ
脚が重いのが難点だけど、設営は広げるだけなので、数人いれば楽勝です。連結して広いスペースを確保できるので、グルキャンの宴会場所にも良いですね。風にあおられやすいのでご注意ください。
タープ選びのポイント
使用人数と用途を気にしながら3つのタイプに分けてみましたが、購入時には次の点も考慮に入れておくと良いでしょう。
*耐水性能
一般的に強い雨に耐えうる性能は「耐水圧1,500mm」程度とされています。いまどきはよほどの格安品でないかぎり、雨漏りするのは珍しいくらいですが、購入前にちょっと表示を気にしましょう。

*耐火性能
皆で使う大型タープなら、張る位置も高くなるのでナイロン製でもOKですが、ソロ用では焚き火の火の粉に注意しましょう。難燃素材でできている時は、TC(テクニカルコットン)の名を冠していることが多いです。
*遮光性能
日焼けが気になる方は、ストッキングと同じ「デニール(150Dなど)」や、繊維の密度を表す「タフタ(150Tなど)」という単位にも注目しましょう。分かりやすく「紫外線〜%カット」と書いてあることの方が多いようですが。

焦らずじっくり検討を
本人に訊いてないので、その理由は定かではありませんが、編集長の森風美はほとんどタープを使うことはありません。面倒臭いだけなのかもしれませんが、さほど必要だと思っていないのでしょう。

やはり設営に手間が増え、強風時などに難儀し(特に夜中の突風)、四方八方にガイロープを伸ばさなくてはならないことも多いタープ(狭いサイトでは使えません)。焦って買うまでのことはないでしょう。
実際にキャンプを始めてみて、キャンプ場や動画で皆さんが使っている様子を観察し、自分のキャンプスタイルが確立してきてから、ご購入を検討されてはいかがでしょうか?


