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外遊び
真冬の方程式?
『油で固める着火剤』

ひょんな思いつきから……

久しぶりの実験記事です。この秋、福山雅治さま主演の『沈黙のパレード』が公開され、話題になっていた「探偵ガリレオ」シリーズ。スペシャルドラマや劇場一作目「容疑者Xの献身」もテレビで放映。


どれも評価の高い名作です。未見の方は是非!!

その流れで「真夏の方程式」まで見返してしまったのですが、常にキャンプのことを考えている編集部です。作品中のトリックとは直接関係はないのですが、観ながらなんとなく思いついてしまったのが表題の「油で固める着火剤」です。

編集長の森風美も幼少の頃よく「お母さんにキッチンペーパーとサラダ油もらって焚き火していた」と口にしています。ならば使用後の油を固めても、着火剤として使えるんじゃないでしょうか? 実験してみます!!




作ってみよう!

ポテトやフライを揚げた後の廃油。捨て方はいろいろありますが、写真のような凝固剤もその方法のひとつ。これを着火剤に転用できれば、新しい着火剤を買わなくて済むし、廃品を再利用もできてSDGsかも!

……という、至ってシンプルな発想でした

ふだんなら、油を固めてポンっと捨てて良いように指示されていますが、今回は着火剤。焚き火台で燃やすために、何かしらの容れ物が必要です。写真の通り牛乳の空きパックを用意しました。

説明を読むと、油の温度を80℃以上にして、粉末状の凝固剤を溶かすように書かれています。用意していた廃油を温め直して、ひと袋投入しました。割り箸でかき混ぜると、みるみる溶けていきます。

用意した牛乳パックに油を注ぎます。普通の牛乳パック(1ℓ)では大きすぎるので、小型のパック(200cc)を用意しました。漏斗を使っても、リンちゃんテーブルにあちこち溢れてしまいました。

溶け落ちた分はアルミの冷たさですぐにゼリー状になってました

固まるまでは、常温で1時間ほどかかるそうですが、寒かったせいか30分ほどで固まりました。ちょっと”ぷるぷる”していて、携帯には不安が残りますが(特に夏場の暑い車内など)、一応は完成です。




燃やしてみよう!

それでは早速、火を点けてみましょう! 危険も予想されるので、バケツに水を用意して、きちんと下受けのある焚き火台を用意。3つ作ったうち、ずんぐり型の牛乳パックを載せました。注ぎ口の端の方に点火です。

注ぎ口あたりにも油がこぼれて染みていたせいか、すぐに火が点き、縁に沿って燃え広がっていきます。あまりにもよく燃え広がったので、すぐにそこだけ燃え尽きて、実験失敗になりそうな予感がしてきました。

ところが、縁の紙が燃え尽きる前に、熱せられた表面の油が溶け始めました。その後は紙が燃え尽きることなく、安定して燃え続けています! ちょうどロウソクの芯と同じ現象になったということですね。

ここでちょっと科学的知見!

ロウソクの芯がすぐに燃え尽きないのは、燃えているのが芯ではなく、芯を伝って気化したロウだからです。芯自体は液体のロウの低温度に守られているので、すぐには燃え尽きません。ロウソクが減って、むき出しになった芯だけが燃えて短くなるのです。

ということで、安定期に入った炎は、少しずつ油を消費しながら燃え続けます。この時点で8分経過。牛乳パック内のすべての油が溶けて液体になりました。まだ燃料は”たぷたぷ”いっぱい残っています。

やーっと半分くらいになりました。ここまでで15分弱。着火剤としては長く燃えすぎですね。一般的な着火剤は、燃焼時間5分以下ですから、火起こしがとっくに終わっている時間です。

大変です! 角の縁に延焼して、油が少しずつ漏れて来ました!! 幸い大きな受け皿のある焚き火台だったので、下に垂れた油も受け止められます。鉄板が冷えていたせいで、すぐにまた固まるテンプルに……。

ようやく終わりが見えて来ました。通算30分以上も燃えていたことになります。下の受け皿に油が流れ落ちることがなかったら、1時間近く燃え続けていたのではないでしょうか? とりあえず今回は、この時点で「実験終了」としました。

実は次回の記事でこの「続き」を報告する予定でーす!!



ご使用は自己責任で!

以上の実験を通して得られた結論は、ご覧の通りほぼ「失敗」と言って良いかと思います。まず、携帯に不向き! それから長く燃えすぎ!! そして何より燃焼中は、油がたぷたぷして危険!!! 不用意に薪をくべると油がこぼれて炎上しそうでした。

念のため、実験前に調べたところ、使用済み油の凝固剤は、ヒマシ油などの天然成分を粉末状にしたものだそうです。脂肪酸(ヒドロキシステアリン酸)が、温度が下がる過程で網目状の三次元構造を作って固めるという原理でした。

今回のように燃やしても、人体や環境に悪影響はなさそうだと踏んでいたのですが、専門家ではないので断言はできません。それ以上に、随所で危険性を感じたので、読者の皆さんにはとてもオススメできません。

わざわざ運搬時や燃焼中の危険を冒してまでやることではありませんね












Author
なちゅガール編集部
アウトドアの楽しさをお伝えしたくて、日々おもしろいことを探しています。皆様からの情報提供もメールでお待ちしています!! また記事につきましては正確を期しておりますが、最新の情報や価格については都度お調べください。