ゼンカイカラノツヅキ!

この「ゼンカイカラノツヅキ!」は、今、編集長と編集部がハマっている『COTEN RADIO』からのパクリです……なんてことはどうでもよくて! 前回の記事は「使った後の油を固めて着火剤にする」実験をお送りしました。

着火剤なのに30分以上燃え続けて、なっかなか消えない!! 携帯には不便そうだし、熱で溶け出した油がタプタプ危険そうだし、角から油が漏れだすし……。下の写真のように、ほぼ燃え尽きるところまでお伝えしたところで記事を終えました。

でも、ここまで燃えたら着火剤として使えそうですよね! 実験途中では牛乳パック内の油がナミナミと、タプタプとしていて、薪を投入するとこぼれそうでしたが、今なら大丈夫。そしてまだまだ燃え続きそう!!

「ナダル」くんって誰!?

正式名称は「ティオ・デ・ナダル」。昨年のこの時季、クリスマスシーズンに編集部が流行らせようとゴリ推ししていた丸太んぼうのお人形。スペインのカタルーニャ地方に伝わるクリスマスの習わしです。

スペインの市場では、クリスマスが近づくとこの丸太のお人形が売られ始めます。背中に背負った外套(マント)の中からウンチ(お菓子やプレゼント)を出して、最後には火に焼べられてしまうという……。

これは何かとイベント性を求めている昨今のキャンプブームと相性良いに違いない! グルキャンのクリキャンとも親和性が高いに違いない!! そう踏んで「なちゅガール発」として流行らせようと企んでいたのでした。正直……忘れてました。この1年間。

街にジングルベルが流れ始めて、ショーウィンドウにオーナメントが飾られて、やっと思い出したのですが、クリスマスまであと3日!! しかも今年のイブと当日は土曜日と日曜日にかかってます!! どうにか週末のクリキャンには間に合います!!

『ティオ・デ・ナダル』

スペインのカタルーニャ地方やアラゴン地方の子どもたちは、クリスマスが近づくとこの「ティオ・デ・ナダル(クリスマスの丸太)」を家の隅などに飾ります。毛布をかけてあげて、食べ物や果物をお供えしながら丸太を太らせていくのです。

そしてクリスマス当日になると、「Caga Tio」という歌を歌いながら棒で「ナダル」を叩きます。「ウンチをして〜！」という歌詞なので、かなりシュールですね。すると良い子にはプレゼントを(産むのではなく)ウンチするのです。

悪い子にはプレゼントではなく、石炭がウンチされます。そしてどちらにしろ最後には、暖炉の火に焼べられてしまいます。日本の「どんど焼き」に似ていますね。実際の歌の方はこちらの動画でお聞きください!

キャンプで流行らせよう!

編集部は昨年、実際にナダルを作ってみたのですが、穴を開ける電動ドリルがあれば、誰にでも簡単に作れます(なくてもどうにか作れます)。あとはこれをクリスマスキャンプに持って行って、プレゼント交換などに使えば良いのですが……。

編集部が忘れてたくらいですから、そりゃ流行りませんよね。アウトドアショップなどで売っていたら、買う人も多いんじゃないかと思うのですが。作るのは簡単だけどめんどくさいですもんね……。来年は、なちゅガールの購買部で売ってみようかな?

しかし本来は、五穀豊穣を祈るための伝統的な風習。食べ物や果物を与えて「ウンチ」をするのも、ただの遊びではなく、「大地から実りをいただき、大地に還す」という正統的な理由があるのです。

燃やされた後の灰も畑に撒かれて、自然の循環に戻されます。ハロウィンもバレンタインも、文化の表層的な部分を輸入するのは得意な日本ですが、キャンプ業界がこの風習を導入すれば、その意義もちょっとはあるのではないでしょうか?

ジカイニツヅク

さて、見事に火がつきました「ティオ・デ・ナダル」くん。小さな木片をかませなくても、いきなり丸太に着火できました。ほとんど「失敗」だった「油で固める着火剤」も、肝心の着火機能だけは優秀だったようですね。

そしてまた『COTEN RADIO』をパクったように、この記事は次回に続きます。尊い犠牲となった「ナダル」くんを火元にして「焚き火で焦んがり美味しいクリスマスレシピ」をお届けする予定です。期待せずにお待ちくださ〜い!!