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コラム
キャンプ場開拓日誌*03
『土地調査のこと』

前回からの続き!

今からちょうど2年前くらい、土地が見つかったところまでお話したと思います。ところがその土地を見つけたのは、私ではなく両親。私が仕事で「右往左往」している間に、両親の間ではキャンプ場計画が静かに進行中だったのです。

「さおりんご」さんのこの右往左往Tシャツかわいい!

キャンプというより「海好き」の両親。海遊びのついでにキャンプしているような我が家。必然的に山ではなく、海に近い土地に惹きつけられ、このたびの候補地が浮上しました。今回はその2年前からの長い長い道のりをお話を続けていきます。




‘21年7月某日「下調べ①」

候補地が見つかったからと言って、すぐに購入というわけにはいきません。特にキャンプ場を開くとなれば、調べなければならないことが山ほどあります。いざ土地を購入した後に、障害が発覚したら大変です。

……ということでちょこっと専門的なことから説明します

*「開発行為」の問題

キャンプ場のような広い土地に、土木工事などを入れるとなると、役所に届けなくてはならなくなります。一般的には1000㎡以上になると「開発行為」にあたり、許可が必要になります。それ以下でも近隣の状況によって必要になることもあります。

その際には「都市計画法の区域区分」が問題になります。自治体がその地域を将来どうしたいのか……という計画だと説明すれ良いでしょうか。複雑な要素がからむので、厳密に「可否」を判断するのは難しいのですが、目安としましては……。

☓「市街化区域・都市計画区域」……ほぼ不可能?
△「市街化調整区域」……受付やトイレ棟が立てられない可能性?
○「非線引き区域」……用途未指定ということで自由度高い!

実際には個別に調査しないと判断できないのであくまでも目安です

*「地目」の問題

さらには、その土地の「地目」を確かめなくてはなりません。現状どういった使用目的の土地になのかという属性のようなもので、手続きをすれば変更できる土地もあるのですが、変更できない「地目」もあります。

☓「田/畑」「農業振興区域」……農業を守るために基本NG!
△「森林・原野」……基本OKだけど「保安林」に注意!
○「宅地・雑種地」……意外にも障害がほとんどありません。

上記はあくまでも目安です。この「区域区分」と「地目」の2つの組み合わせに、近隣の状況や、役場の判断も加わるので、一概には言えません。許可が出るかどうかは、実際に窓口で相談し、個別の判断を頂くことになります。

プラス消防関係の許可が必要になる自治体もあります



‘21年8月某日「何サイトにする?」

法律って難しい〜! ちょっと難しい話になってしまいましたが、楽しい計画もこの頃から始まっていました。どんなキャンプ場にしたいのか。どんな設備をつけるのか。そして何サイトのキャンプ場にするのか……。

土地の広さは約350坪。キャンプ場としては極小ですね。でもそもそもの計画のきっかけ自体が厚木の「Tiny Camp Village」だったので、家族の頭には皆「Tiny(小ちゃな)」キャンプ場のイメージがありました。

ところがここで家族の意見が分かれました……

父「小さくても5サイトは確保できるだろうから、お客さんを多く呼んで収入につなげて、仕事やめたい。そもそもパンク青年だったのに、安定した勤め人の道をこんな長く歩むなんて思ってなかった。一度きりの人生、ノるかソるかの賭けに出て……(長いので以下略)」

私「無理してサイト数を増やすより、お客さんには広々と使ってもらいたい。くつろいで頂きたいから、各サイトを普通のキャンプ場より広くして、3サイトくらいが理想かなぁ……」

母「お客さんの対応が大変だから1サイト」

結論は……もちろん母の一言で決まりました!! ということで、このキャンプ場は1日1組限定の1サイトキャンプ場になります! 他のお客さんがいないということで、女子も安心して使えるし、私が最初に手掛けるキャンプ場としてはちょうど良いかな?

父が可哀想なので、ここでジェイソン・ムラーズのミュージックビデオをご紹介します。父はこのミニライブの会場となっている場所のようなテイストにしたいらしいです。これは私も異存ありません。


本当にこんなおしゃれな場所にできるのかな〜



‘21年9月某日「下調べ②」

まだまだ下調べは続きます。キャンプ場として成立させるためには、土地の種類だけではなく、インフラのチェックも必要になります。あまりにリモートな場所となると、電気も水道も引けなかったりします。

敢えて不便な「野営地」を目指す方向性もありますが、私としては「なちゅガール」らしい、初心者でも女の子でも楽しめるキャンプ場にしたいので、利便性にはこだわりたいと思いました。父の理想もあんなだし。そうなってくると、気になるチェックポイントは……。

*電気は通っているか?
*水道は引けるか?
*ガスは都市ガスorプロパン?
*排水も問題はないか?
*Wi-Fi環境も完備できるか?

高規格とは言わないまでも、このぐらい設備は利用者の方々も欲しくはなるのではないでしょうか? 自分の理想とするキャンプ場に合わせて取捨選択すれば良いことですが、近くまでインフラが届いていない時は、かなりの予算になることも……!?

完全オフグリッドのキャンプ場も格好良いんですけどね!



次回に続きます!!

今回は難しいお話が続いてしまいましたが、毎回の小出し情報としては「1日1組」限定の「1サイト」キャンプ場を予定しているということです!! 100坪以上のサイトになるので、車は数台、テントも数張りは収容可能かな?

2〜3組の団体さんで来て頂いても良いですし、ファミリーでいらしてもあまり割高感は感じられないような価格設定にしたいところなのですが、こういうのって本当に決めるの難しいですね。両親と相談します。

でもでも、女子キャンパーには絶対に喜んで頂けるような、プライベート感と特別感のあるキャンプ場にしたいと思っています。オープンはまだまだ先になりますが、続報をお待ちください!

実は車が入れない土地なので、大掛かりな土木工事も必要なのです!










Author
森風美
年間80泊するほどキャンプを愛し、女性でも楽しめるキャンプスタイルを発信しているキャンプ女子の森風美です。 幼少の頃からアウトドア好きな家族の影響で、キャンパーとして育ち、キャンプ歴は年齢=27年。