冬になったら火を起こす!
焚き火、火起こし……奥の深い世界です。以前は冬になると様々な(奇抜な)火起こしの方法を発案してきた「なちゅガール」でしたが、ここ最近ご無沙汰していました。……というか忘れていました。
そんな折、アウトドア・キャンプブランドの「Montagna(モンターナ)」さんから面白そうなグッズを2つ頂いちゃいました〜!! ひとつは原始人が使っていそうな「弓きり式の火起こし器」、もうひとつは「チャージ式スパークマン」という現代の最新グッズです。
ちょっと調べてみると、「弓きり式」などの摩擦法により着火する歴史は、縄文時代にまで遡るそうです。一方「チャージ式スパークマン」は最新技術? 少なく見積もっても、ざっと3,000年の開きのある着火法を、今回は誌面で検証していきます。
「弓きり式の火起こし器」
……これ、以前やったことあるんですよね。もう5年くらい前のキャンプの時だったかな? 自作した棒と受け木で。大人4人で2〜3時間は頑張りました。しかし、結果から言うと、火はまったく起こせませんでした。
その時は「弓きり式」ではなく「手もみ式」、つまり両手で棒をはさみ持って、すり合わせるようにグリグリグリグリ〜っと回転させたのですが、もぉ〜疲れて疲れて、手がボロボロになるだけで終わりました。
今回はそのリベンジ! 名前の通り弓にヒモが付いているので、素手より高速で回転させられそうですし、なんと! 持ち手のところにはボールベアリングまで付いているのです!! こんなの初めて見ました。おかげで回転もスルッスル〜!!
実験開始!!
それでは早速、実験に移りましょう! 細長い箱の中に必要なものは全て詰まっています。「ヒキリギネ(弓きり)」本体に、切れ込みと穴が並んだ「ヒキリ板(受け木)」、そして火種を移して燃え上がらせるモシャモシャです。
まず最初にモシャモシャを広げて、受け木の下に敷きます。そして並んでいる穴の一つに「弓きり」を垂直に立てます。紐がからまないように弓を回転させたり、くぐらせたりしながら、体制を整えましょう。
1回目。それでは「受け木」をしっかり足でおさえて、弓をキコキコひきながら回転させていきます。素手よりは圧倒的にラクです! ほどなくして(1〜2分くらい)プ〜ンと香ばしい匂いが漂ってきました。
そこからさらに2〜3分。微かな白い煙も立ち上がってきました。そこで火種を落とそうと、弓きり本体を持ち上げると……ダメです! 木の黒い粉もまだ出てきていなし、火種も見当たりません。
2回目。気を持ち直してやりなおし。今度は焦げ臭い匂いがしてきても、煙が立ち上っても、まだまだ回転させます。キコキコ……キコキコ……10分以上回し続けて、煙もだいぶ出てきて、「これなら!」ってところで持ち上げてみると……!?
ダメです! 黒い粉はだいぶ溜まったのですが火はありません! 煙は出ているのに、火種らしきものは見当たらず、モシャモシャに息をフーフー吹きかけても、炎が燃え上がるようなことはありませんでした。
ようやく成功!?
ちょっと休憩の意味もかねて、説明書をあらためて読んでみることにしました(実は読んでなかったのです!)。しかもパッケージの箱には参考動画のQRコードも載っていたのですが、そちらも見ていませんでした。
そこから分かったのは、「弓はあまり力を入れずに軽く持ち、その代わりに速く動かす」ということと「1人でやるより2人で協力してやった方が良い」ということでした。それではその通りやってみましょう。
3回目。匂いが立ち上がって、煙が出てくるの所まではこれまでと同じ。そこから先も軽く、速く、永遠に(と言っても15分くらい)……、キコキコ回転させ続けました。するとどうでしょう!?
小〜さな火種が出来ていて、急いでモシャモシャに移してフーフー息を吹きかけると……とつぜん小さな火が生まれ、またたく間にボワっと大きな炎に成長しました!! トータル20分以上をかけて、ようやく成功と相成りました〜!!
「チャージ式スパークマン」
それでは新旧対決。やっと現代文明の利器を試せるようになりました。この「スパークマン」はUSB電源で充電して、「アーク放電式」で着火するというシロモノです。アークというのが何かというと……知りません!!
チチチ……ぼわっ! 着いちゃいました! なんと一瞬で着火しちゃいました〜!! モシャモシャに先端をあてて、ほんの少しボタンを押したら、電気が走って火種となり、みるみる大きく燃え上がりました〜。
結果発表〜!!
……は、言うまでもありませんね。所要時間で言うと「20分強」vs「3秒」。圧倒的な差をつけて現代文明の利器「チャージ式スパークマン」に軍配が上がりました〜。「Montagna(モンターナ)」さん、おめでとうございま〜す!!
でもでも喜びで言うと、弓きり式で火が着いた時の方が嬉しかったですね。グルキャンなどでやると盛り上がりますし、お子さんのいるご家庭では自然学習教材としてオススメです! そして最後に先ほどスルーした「アーク放電式」をご説明しますと……
アークとは、2つの電極間で放電させることによって形成されたプラズマの一種。 電車のパンタグラフで時々発光するのも、電気コードをショートしたときに発光するのもアーク放電である。
Montagna販売ページ : https://montagna.co.jp/