遠藤貝類博物館
最近、海岸や浜辺に打ち上げられた貝殻やシーグラス、流木などを収集する「ビーチコーミング」が静かなブームになっているのを知っていますか?私が豆チョウ採集で海岸へ行くと、貝殻などを探しまわっている人を見かけます。
目を凝らして海岸を歩くと『宝もの』が落ちているんですね。そういえば私も、数年前に行った三浦半島の海岸が一面タカラガイだらけで、豆チョウ採集をそっちのけにして貝殻集めをしたことを思い出しました。
私が住んでいる真鶴町にはたくさんの貝殻を展示している「町立遠藤貝類博物館」があります。ビーチコーミングの先駆者とも呼べる貝類研究家の遠藤晴雄氏が世界中から貝殻を集めたそうです。貝殻にあまり興味がなかった私でも、展示されているたくさんの種類の貝殻に圧倒されました!
大きなショーケースでは、水深ごとに貝の生息域を分けて展示されていました。海の中で生きているように見える展示の仕方は他では見たことがなく、とても面白かったです。私もマネしてお部屋に拾った貝殻の「ミニミニ貝類博物館」をOPENしてみようかなあ。
私が気に入った貝殻
博物館を周っていて、一際目を引かれたのが「クジャクアワビ」です。アメリカの南西部で採ることのできる貝だそうです。一見どこにでも見られる普通のアワビだと思いきや、表面をけずってみるとクジャクの羽やタマムシのような素敵な模様と色が出てきます。
日本のアワビの色も綺麗だなとは思っていましたが、それとは比べ物にはならないほどです。今まで見た貝殻の色の中で1番綺麗だなと思いました。とても素敵な模様と色なので、ピアスや指輪などのアクセサリーによく使われるそうです。
遠藤貝類博物館の展示物の目玉は「オキナエビスガイ」です。化石としてしか発見されていなかったので絶滅した貝だと思われていました。しかし、生きている個体が1856年にカリブ海で発見されたことから「生きた貝の化石」と呼ばれています。
オキナエビスガイは非常に貴重な貝なのですが、その「オキナエビスガイ」の仲間30種類のうち、なんと27種類が展示されています。貝に詳しい人にとっては驚く程に凄い博物館! ……なんだそうです。
カフェ真鶴見晴らし台
博物館のお土産屋さんを覗いてみると、貝殻で作った可愛いうさぎやひつじの置物が売られていました。「私も何かを作ってみたい!」と思いました。花やお神輿をモチーフにした大きな工芸作品もあります。細部までとても繊細に作られていて美しいのでじっくりと見入ってしまいました。
博物館を出て少し歩いたところに、こじんまりとしたカフェがあります。甘いものを食べたいなと思い、自家製シフォンケーキを頼みましたが、残念ながらこの日は売り切れ。代わりにクリームソーダを飲むことにしました。クリームソーダは昭和レトロな雰囲気で美味しかったです。
カフェでのんびりしたあとに、真鶴半島の1番先端である三ツ石海岸まで足を伸ばしました。真鶴に引っ越してからずっと行ってみたいなと思いつつ、中々タイミングがなかったのです。
海に可愛く並んだ3つの岩、それが「三ツ石」です。しめ縄が張られていて、岩の間から上がる初日の出を拝めると人気のパワースポットになっています。元旦には日の出前から三ツ石へ向かって歩いていく人をたくさん見かけました。
ウメボシイソギンチャク
三ツ石海岸には「天然記念物」があります!! 扉絵に描いたウメボシイソギンチャクです。赤い触手をめいっぱいに伸ばしている姿はとても可愛いのですが、触手を縮ませた姿は「梅干し」にしか見えません!
ウメボシイソギンチャクは他所の海岸でも普通に見かけることが出来ます。天然記念物にするほど珍しい気がしないのですが、その理由は関東大震災にあるそうです。相模湾のウメボシイソギンチャクはほとんど全滅してしまったのです。
しかし、真鶴半島三ツ石海岸のウメボシイソギンチャクの群生地は被害がなく、生き残ることができたそうです。震災前の相模湾の様子を残す貴重なものであることから、県の天然記念物として指定されたそうです。