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コラム
はななのフィッシュ日和*32
『三ツ石海岸ビーチコーミング』

引越しのメリット

この連載のメインは「チョウチョウウオの赤ちゃん採集」……私が呼ぶところの「豆チョウ採集」です。でも水温が低くなる冬は豆チョウ自体が海にいないんですよね。黒潮で流されてきた熱帯の(沖縄の)魚なので、可哀想な事に死んでしまうんです。

=(イコール)記事が書けません!! 記事ネタがありません。昨年は水族館の記事ばかりを書いて、記事ネタのない冬を乗り切りました。しかし今年は神奈川県真鶴町、海の近くに引っ越してきました! 何が違うかというと、海関連のイベントがしょっちゅう開催されるんです!!

おかげで記事のネタに事欠くことがありません!

そして何より、イベントを主催されている学芸員や大学の教授の方々からのお話を聞く機会も増えました。私の知らなかったことや今まで関心のなかったことまで教えてもらえる機会が増えて、とっても嬉しいです。

真鶴町民でなくても参加できるイベントもたくさんあります!



三ツ石海岸ビーチコーミング

今回は、「真鶴町立遠藤貝類博物館」と「ディスカバーブルー」が主催の「三ツ石海岸ビーチコーミング」に参加しました。ビーチコーミングとは、海で流木や貝殻などの漂流物を拾ったり、海岸に打ち上げられた生物を観察するアクティビティです。

「コーミング」とは英語で「櫛で髪の毛を梳かす」ことです

集まったのは約15人ほど。小学生くらいのお子さん連れが多く、中には、私が以前住んでいた平塚から参加しているご家族もいてびっくり! 集合場所の「遠藤貝類博物館」から三ツ石海岸までは歩いて移動です。200段以上もある階段を降りるので大変!!

ちょうど期末試験の勉強三昧の日々だったので、体を動かせて気持ち良かったです



マイクロプラスチック問題

最初に海の現状を参加者の方々に知ってもらう企画がありました。海洋問題としてニュースなどでもとりあげられるマイクロプラスチックを集めます。5mm以下のプラスチックやビニールがその定義になります。

小さすぎて砂の中から見つけるのは難しい〜!!

それでも10分ほどで小瓶の半分以上もの量が集まりました。他にも、ペットボトルの蓋やパンの袋など……大きいプラスチックごみは大量に見つかりました。中でもコロナ渦になって急に増えたというゴミ!!

海岸に流れ着く「マスク」が大問題になっています!!

お勉強的なマイクロプラスチック集めが終わると、いよいよ本当の「ビーチコーミング」がスタート! 私が「タカラガイ」のような綺麗な貝を探していると、どこかで見覚えのあるものが!! ……横浜「崎陽軒」の醤油入れ、「ひょうちゃん」を見つけました!!

これは神奈川の海ならではの漂流物で面白かったです

崎陽軒の「崎」と書いてある紙を持っているのかな? 「ひょうちゃん」の醤油入れには、何種類ものバリエーションがあり、それぞれ表情や格好が違うので、「ひょうちゃん蒐集家」もいるほどです。




コレクションのお披露目会

約1時間ほどのビーチコーミングが終わり、集まったものの発表になりました。学芸員と大学の先生がたが、それぞれの生き物や漂流物を解説してくれるのですが、海に詳しいのはもちろん、山から流されてきた胡桃(クルミ)の食痕まで見分けちゃうんです!!

何ネズミが食べたのかまで予想しちゃうんですよ!!

そして一般の参加者の方々も負けていません。「茶色に青の斑紋が入ったミヤコウミウシ」や「カモメの白骨」などを見つけていて、私が凄いな〜と感心していたところ……父がやたらとでっかいものを持って帰ってきました!

一見「カエルの顔」のようにしか見えないのですが、これは漁に使う道具だそうです。名前は「ぼんでん」……通称「浮き玉」ですね。網などのしかけを設置したところに、目印として使うんだそうです。

ペイントしたらかわいいオブジェになりそう〜!



ムラサキクルマナマコ

ビーチコーミング中にタイドプールでナマコを見つけました。ナマコの種類に詳しくないので「ディスカバーブルー」の方に聞いてみたところ、「ムラサキクルマナマコ」という名前のナマコだそうです。

パッと見、「クロナマコ」と変わらないように見えるのですが……

骨の形が車輪に似ているということから海の生物らしくはない「クルマ」という言葉が名前に入っています。小さい頃の私は、琴ヶ浜の海底で生きているのかも怪しいほど大きなナマコをよく見つけていました。それを拾ってはいつも「とったどー!」と言っていました。




「海そうめん」の観察!?

最後に「遠藤貝類博物館」に戻り、体験したビーチコーミングのまとめをしてもらいました。その中で私が気になったのは「磯焼け」です。最近の真鶴の海では「カジメ」という海藻が減少し、魚の住処がなくなってしまいました。

一方で海水の温暖化により、造礁サンゴが増えているそうです。サンゴがあると網が使えなくなるので、今まで通りの漁業ができず、漁師さんを困らせます。綺麗な珊瑚が増えてラッキーだと思ったのですが、良くない部分もあるのだと勉強になりました。

そして皆さん、「海そうめん」って知っていますか?

これはタイドプールなどで見られる「アメフラシ」という生き物の卵なんです。皆で顕微鏡で観察したのですが、成熟していくにつれて卵の色が変わり、ラーメンのような色になることは初めて知りました。

「海水だけに塩ラーメンや!」と食べないであげてください。



レストラン燈下(とうか)

その後は真鶴にできたばかりのホテル&レストランに寄りました! 以前は「まるなか旅館」さんという名前だったようですが、オシャレにリフォームして名前も「FARO」にリニューアルされたそうです。

「HOTEL FARO」にあるのが「レストラン燈下」です

レストランからもホテルの部屋からも真鶴の綺麗な街並みと太陽の光で煌めく海が見え、最高の景色を味わえます。そして、真鶴の野菜と魚がたっぷり使われている『真鶴ローカルプラッター』で、私は眼もお腹も満たされちゃいました!!








Author
はなな
海と魚が大好きな高校生です。特に泳いだり、潜ったりするのが大好きです。豆チョウ採集や釣り、アクアリウムやお魚料理など、海や魚に関することをお伝えしていきます!