こちらは毎年ゴールデンウィークになる頃に掲載する「注意喚起」の記事となります。キャンプに最適な季節になりますが、新しくキャンプを始められる方が多いのもこのシーズン。トラブルの増加も予想されます。ルールとマナーを守り、楽しいキャンプを心掛けましょう!!
いよいよシーズン突入です!
ゴールデンウィークが始まりました! キャンプに繰り出す人の数も、ビギナーさん、ベテランさん含めて相当なものになることが予想されます。そうなると、キャンプ場が空いていた冬に比べて、マナーやルールの重要度も増してきます。
別に「冬の完ソロのキャンプなら何をしても良い」という訳ではありません。ただサイトが混雑してくれば、距離が近いゆえのトラブルも起こりやすくなるものです。特にビギナーさんとなると、明文化されていない(言葉ではっきり書かれていない)暗黙のルールが分かりにくかったりもします。お互いに嫌な思いをしないためにも、キャンプにおけるルールとマナーを整理してみたいと思います。
基本的な注意事項は3つ
キャンプの基本的なマナーやルールを大別すれば、3つにまとめられると思います。「ゴミ」と「音」と「火」に関する注意です。どれもメジャーな問題なので、初心者の方でもほとんどご存知かもしれませんが、簡潔にまとめてみます。
＊「ゴミ」に関すること
特に無料キャンプ場で多く発生する「放置」が一番の問題なのですが、分別や捨て方、持ち帰りなど、各キャンプ場でルールが異なります。しっかりcheckしてそれに従いましょう
＊「音」に関すること
酔っ払って大騒ぎ、就寝時間を過ぎても話し声が止まらない……そんな迷惑キャンパーにならないように。たとえスピーカーや楽器の使用が認められていても、音量には気を使いましょう。
＊「火」に関すること
焚き火をするなら、まずは安全。そして地面の保護。火災に注意しながら「焚き火台」を使用して。でもいちばん問題になるのは、焚き火の跡を放置する「焚き逃げ」と呼ばれる行為です。
説明不足感が拭えないほど短くまとめましたが、この3つは「知ってる・知らない」ではなく「人として」あたりまえの問題の範疇だと思います。キャンプ以前に、日常生活でも「ゴミ」を放置してはいけないのは当たり前……常識です。
実際にこのような問題を起こすのは、どんな注意喚起も意味をなさないような、道徳観を持たない人たちでしょう。しかし閉鎖に追い込まれるキャンプ場が絶えない主原因にもなっています。由々しき問題なのですが、今回の記事とは趣旨が異なりますので、また別稿で考えたいと思います。
意外と知らない(?)注意事項
逆にこちらをお読みの方、特にビギナーの方に気をつけて頂きたいのは「知らなかったから」起きてしまう失敗です。こちらが本稿の趣旨となりますので、さっそく列挙して行きたいと思います。
＊「焚き火台を使えば良い」という訳ではない
焚き火台を使っていても、下の地面に焦げ跡を作ってしまう可能性があります。ビギナーの方がよくやってしまう失敗です。特にサイトが芝や草地の時は注意してください。心配される時は「焚き火シート」やメタルテーブルの併用を。
＊直火OKでも後片付けは必要
灰を肥料として畑に撒くのは有名ですが、固まった炭は永遠に分解されないと言われています。「いずれ土に還る」と慢心しないで、灰置き場に片付けて、来た時と同じ状態に戻しましょう。
＊火の粉が飛ばないように注意
サイトの密度や、風の強さにも配慮しなければなりませんが、例えばお子さんの「手持ち花火」によりお隣のテントに穴を開けてしまい、トラブルに発展した例も多く耳にします。
＊ゴミを燃やしてはいけない
帰りのゴミを減らすために、可燃物なら何でも焚き火に入れたくなるものですが、キャンプでは慎しみましょう。火のついた紙類が風に飛ぶことや、有毒ガスと臭いの発生が問題にもなります。
＊火が消えてから就寝
初心者のうちは薪の燃焼時間が分からず、燃え残りが出てしまうこともありますが、後の処分が大変になります。かといって「夜中のうちに燃え尽きるだろう」と過信すると火災の原因に……。火は放置してはいけません。
＊就寝前に食べ物は片付けて
食材でも、食べ残しでも、出しっ放しにしていると夜中に動物や鳥が寄って来ます。ゴミが散乱する原因にもなるので、寝る前に片付けましょう。特に生ごみや汚れた食器類はテントか車の中にしまいましょう。
＊他所のサイトを横切らない
トイレや炊事場への近道だからといって、他所の人のサイトを横切るのはマナー違反だとされています。キャンプ場のルールにはほぼ書かれてないので、注意しましよう。
＊炊事場にもルールが
他のキャンパーさんとの共有スペースとなるので、エチケットに気を配りましょう。食材を洗う場所でもありますので、生ゴミや食べ残しを放置したり、ペグや焚き火台の泥や汚れを洗わないように(下に土汚れ用の水道があることもあります)。
＊汚水にまで気をつけましょう
街中のキャンプ場なら家庭排水と同様の下水処理が施されますが、自然に近いキャンプ場だと簡易的な浄化処理で河川に流される場合も。油汚れはペーパー類で拭き取って。化学(合成)洗剤ではなく植物由来の洗剤が推奨されるキャンプ場もあります。
＊騒音だけでなく光害もあります
最近のLEDは眩しいくらいに光量が強いので、星空やランタンの炎を楽しみたい人の迷惑になります。フラッシュライトやヘッドライトで、近くのサイトにビームを発するなんてことがないように……。
＊プロジェクターの使い方
軽量化が進み、アウトドアでの使用も増えていますが、光害と騒音の両方が懸念されます。混雑状況によっては、キャンプ場スタッフに相談すると良いでしょう。
＊就寝時間後の音にも注意
夜半にペグが外れて打たなければならなくなったり、車のドアを「バタン」と開閉する場合、寝てる人がいることに配慮して! エンジンのアイドリング音も睡眠の妨げになります。
大切なのは思いやりです
以上、細かいことまで書き連ねましたが、まだ不十分かもしれません。また逆に、細か過ぎたきらいもあったかもしれません。キャンプにおけるマナーやルールは、他の一般常識と同様に、時代や社会情勢とともに変化します。
昨今のような急激なブームが起これば、ひと昔前のノンビリしていた頃とは違い、様々な要因がトラブルの元になり得ます。逆にベテランさんの方が意識の改革を求められる場合もあったりします。
現在は明文化されたルールだけでなく、いわゆるグレーゾーンの問題も増加する過渡期にあるのかもしれません。ペットの問題、小さなお子さんの問題……上記に挙げなかったようなことも議論の俎上に上がることになるかもしれません。
しかし「あれもダメ、これもダメ」と禁止事項ばかりが増えるのも考えものです。本来は自然を大らかに楽しむはずの「キャンプ」が、窮屈なレジャーとなってしまっては本末転倒です。大切なのはルールよりも、配慮や思いやりです。
同じ趣味を共有する仲間として、近隣サイトの人とは挨拶を交わし、笑顔を絶やさず声を掛け合うようにすれば、事が大きくなるのも防げるはずです。皆さんが事故やトラブルなく、楽しいゴールデンウィークを過ごされますように……。
