私の住む神奈川県真鶴町のあたらしいおみやげを作るプロジェクト! それが『ぼんぼん鮫最中日記』です!! お寺の釣鐘の形のモナカの皮に、自分でアンコとサメ型のチョコを入れるお菓子。
【町長日記:11日目 11/22(水)】 今日はお世話になった方の所に訪問する際、お土産を持っていこうとしてハタと困った。何を持っていけばいいのだろう。ミカンか?…
— 小林のぶゆき (@nobuyuki121) November 22, 2023
「ぼんぼん鮫」というのは真鶴岬に伝わる昔話。暴れザメを海に沈めたお寺の鐘で閉じ込めたというので、今でもサメが鐘を叩く音が「ぼーんぼーん」と聞こえるそう!? このちょっと不思議な民話をモチーフに考案しました。
ストーリーブランディング?
前回、「ぼんぼん鮫最中」のプレゼンをした時に町長さんから勧められた「ストーリーブランディング」。どうしたらたくさんの人にぼんぼん鮫最中のことや開発までの奮闘を見てもらえるのかを考えました。
まず一番詳しくは、この「はななのフィッシュ日和」でお伝えすることにして、他にはやっぱりSNS頼りです。私は𝕏(旧twitter)にしかアカウントを持ってなかったので、インスタグラムも立ち上げました。
それから、5月に初参加させて貰えることになった愛知の『フィールドスタイル』でプレゼンもできそうです。日本最大のアウトドアイベントになるので、名刺も作って、フリーペーパーも用意して、準備に頑張りました。
あとは肝心の、誰かに(どこかの会社に)商品化してもらうだけ……なのですが、一介の高校生の人脈では、なかなかそういう人は見つかりません。工場で最中を作ったり、パッケージに入れて箱詰めしたりなど……どうすれば良いのか想像もつきません。
ここまでで知り合うことのできた町の大人の人、町役場の卜部(うらべ)さんや「ぺぺコーヒー」店主の松木さんに相談すると、「ここの店やこの人の所には行っておいた方がいいよ」などと教えてもらいました。
『御菓子司やない』
まずは、町の老舗の和菓子屋さんに行ってみます。町長さんのお計らいで卜部さんが連れてって下さることになりました。町の人はみんな知っている『御菓子司やない』さん。ウチも引っ越してきてからよく買っています。
プレゼン用のパワーポイントを読んでいただき、既製品の最中とホワイトチョコの味の組み合わせを試食して頂きます。まずは町のお土産の企画を考案していること自体と、それが和菓子の最中であることを喜んで頂き、アイディアも褒めてくださりました。
味の方もチョコと餡子の組み合わせを面白がって頂き、甘さの比率を調節するともっと美味しくなりそうだとのアドバイスを頂きました。それまでは皆に「美味しい」と言って貰えていたので、私は商品化のことばかりに気を取られていました。
でもやっぱり、工場でパッケージ化するまでの大掛かりな工程をお願いするのは難しいみたい。町の普通の和菓子屋さんなので。ぼんぼん鮫最中の販売などはご協力いただけるとのお声を頂いて、私と卜部さんは「やない」さんを後にしました。
『松本農園』
次に向かったのは「松本農園」さん。真鶴に入る唯一の道、国道135号線にある「ワンちゃんとあそぼう」のこの看板。見覚えのある人も多いのではないでしょうか? 不思議なインパクトのあるデザインです。
何十年も真鶴でみかんを栽培している農園なのですが、手作りの新聞も発行していたり、様々な企画をされているとのことで、町のどの人からも「松本茂さんに会え!」という言葉を聞きます。町の生き字引? 名士? 長老みたいな人でしょうか?
真鶴観光協会にあった謎のポスター(ぼんぼん鮫のまわりに真鶴の名産がたくさん描いてある版画風のイラスト)の作者も分かるかもしれません。とっても可愛い版画なので、菓子折りの箱のデザインに使わせて頂きたいのです。
おばあちゃんもみかん狩りをしたいと言っていて、犬も2匹ウチにはいるので、お休みの日に家族全員で出掛けたのですが、茂さんはいらっしゃらずスレ違い。奥さんとお話しして、応援して頂きました。
1万5000坪の広さに4,000本の柑橘類の木が植わっていて、あちこちから海を見下ろせる斜面にある園内は、お散歩コースになっています。みかんを食べた後は、ウォーキングをしながら素敵な景色をたくさん写真に撮りました。
シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)
サメの中でも特に変わった形をしているシュモクザメ。左右に広がっている頭のおかげで、視野が広く、獲物を察知するロレンチーニ器官も発達しています。また重心移動がしやすく、素早く方向転換ができるらしいです。
「イカ二貫っ!!」のセリフで有名な千鳥の「クセが強い寿司屋」という漫才では、「ハンマーヘッドシャークのここ」ってセリフが寿司ネタのボケとして出てくるのですが、実際に食べてみると美味しいらしいです。
冒険(?)は続く
数人の人にお会いしてお話を聞いていただくだけでは、やっぱり商品化には結びつきません。世の中そんなに甘くなく、トントン拍子で事が進んだりはしないものです。ただ、皆さん親切で優しく協力的。次はこの人に会ってみればというご提案をいただけます。
そんな繋がりでこれまで町役場の中村さん(学校の先輩)、起業家の仲渡さん、真鶴町観光協会さんにもお話も聞いて頂きました。お店としては草柳商店さん、AMAYAさん、真鶴出版さんにお会いしました。
これって真鶴町を舞台にしたロールプレイングゲームみたい! RPGはおつかいゲームとも言われますが、「次は○○に会って××をゲットするのじゃ!」と物語を進めていくうちに経験値とレベルがアップしていきます。
おかげで私もちょっとだけレベルアップできたかもしれません。次の目標、中ボスのステージとミッションが見えてきました! ……ですがその詳細はもったいつけて、次回の連載で発表しようと思います。
『御菓子司やない』
いつもは最後のこのコーナーでレストランや喫茶店をご紹介していますが、今回はやっぱり「御菓子司やない」さん。店頭で栗饅頭や大福、おはぎなどを売っている、町民の皆さんから愛されている和菓子屋さんです。
昨年の夏に引っ越してきて約半年のウチに対して、「やない」さんはもう何十年もこの土地で商売を続けてらっしゃる老舗。周りには新しいお店に建て替えられたり、シャッターが閉まってしまったりするお店が多い中、すごいことだなぁと思いました。
その秘訣は店頭で作ってくれる大判焼きと夏のかき氷かも!? 地元の子どもたちに大人気。駅からまっすぐ海に行く途中の立地にもあるので、皆さんも港や海に行く途中ぜひ買って食べ歩きしてみて下さいね。