普通ですっ!!
お魚の煮付け……タイの煮付け、キンメの煮付け、カレイの煮付け。代表的なものはこんなところでしょうか? その他にもカサゴの煮付け、サワラの煮付け、メバルの煮付けなどもありますね。
キャンプ飯としてはどうかと言うと、「キャンプで煮魚」……あまり聞きませんね。しかもなちゅガールの「外ごはん」レシピとしては……いつもの実験料理やダジャレ料理でもなく、「ふつーじゃん!」と言われてしまいそう。
いえ、本来それで良いのです。正統的アウトドアメディアの「なちゅガール」ですから……別に奇を衒(てら)ったお料理ばかりにする必要はありません。キャンプ飯とは「手軽で美味し」ければ良いのです!!
普通じゃないっ!!
「いやいや煮付けなんてどれも同じだし、美味しいでしょう?」……味覚が成長していないお子さまや若者を除けば、舌の肥えた皆さんは口を揃えてそうおっしゃるでしょう。そうです。煮付けはただそれだけでも美味しいのです。
ところがです! 神奈川県の小田原に、実は伝説の煮付け屋さんがあったのです。今はもうなくなってしまったので、名前は伏せておきましょう。ただその煮付けは、ひと言、「普通じゃない!!」煮付けでした。
甘くて、しょっぱくて、どろっと粘り気があり、糸をひくような……質感としては「みたらし団子」のタレに近い感じです。しかし味は違います。みたらし団子のように半透明ではなく、しっかり煮付けの味がしました。
噂では今でもその味を引き継いでいるお店があるらしいのですが、行った事がないのでご紹介は控えておきます。その代わり、今回はあのまぼろしの味の再現にチャレンジしたいと思います! 果たして成功するのかどうか……ご期待くださいっ!!
材料&作り方
今回は「金目鯛」を使ってつくります。他のお魚でも良かったのですが、半身で780円……のさらに2割引で売ってたんです! 今どき安くないですか!? 30cmサイズのキンメが半身で624円!! スーパーのお魚売り場で即決しちゃいました。
《材料》
・金目鯛 (半身2切れ)
・醤油 (100cc)
・日本酒 (100cc)
• みりん (大さじ4)
・砂糖 (三温糖やきび砂糖:大さじ7くらい)
・生姜チューブ (5cm)
① 魚の臭みが出ないように、金目鯛の表面の汚れをキッチンペーパーなどできれいに拭います。
② 煮ているうちに皮が破れないように、皮目に飾り包丁(切込み)を入れておきます。
③ 鍋に煮汁の材料「醤油」「日本酒」「みりん」「砂糖」「生姜」をすべていれて、軽く煮立たせます。
④ ゆっくりと金目鯛を入れます。
⑤ アルミホイルなどで落とし蓋をして、中心まで火が通るまで煮ます。時々、スプーンなどで煮汁を上からかけてください。おおよそ15〜20分くらいで火を止めます。
⑥ 鍋に煮汁を残して、金目鯛をお皿に移します。
⑦ 再び点火して、煮汁にトロミがついて『こってり』とするまで煮詰め、金目鯛にかけて完成です。
試食&感想
まず何より、お手軽でしたね。お醤油やお酒やお砂糖などで、割り下をつくって煮るだけ!! 意外なようですが、制約の多い野外で作るお料理としては合格点……どころか「理想的」と言っても良い簡単メニューです。
そしてあの味が再現できているのか!? お箸で身をほぐして、口へ運んでみます……う〜ん、甘い! そして美味しい!! これは完全再現!!! もう何年も前に食べたのが最後となるあの味が、お口の中に蘇りました〜!!
ほんの15分ほど煮込んだだけで、キンメの旨味もしっかり煮汁に染み出ています。逆を言うと、煮汁がお魚の身に染み込む必要はさほどないのです。身は白いままで、濃ゆい煮汁にカラめて食ぺる方が、メリハリがあって良いのです。
今回はたまたま安かったのでキンメを使いましたが、カレイでもカサゴでも……煮汁さえ同様に作れば、あのお店の味は再現できます。てか、お店でもカレイやカサゴやいろんなお魚が煮付けのメニューになっていました。
ぜひこの甘い煮付けを食べさせてあげてください。魚嫌いのお子さまも開眼します!! 小さい時にこの美味しさを覚えてしまえば、その後うす味の煮付けであっても喜んで食べるようになります。そして大人の方々も……。