こんどは暖かい話を……
先日『冬キャンプの危険』という記事で、これからの季節の注意喚起をさせていただきました。多くの方に読んでいただき、反響もいただき、ありがとうございました。
未体験の人にとっての「冬キャンの寒さ」は、想像以上に危険なものになるので、危機感を持って書かせて頂きましたが、今回はそのフォローアップとして「それではどうやって暖っまれば良いの?」という点を、できるだけ初心者目線で書かせていただきます。
1. 電気に頼る
すべてのキャンプ場ではありませんが「電源付きサイト」のある施設も、探せばたくさん見つかります。だいたい1,000円くらいの追加料金で、家庭用コンセントが使えるようになるのです。
テントの中でホットカーペット、はたまたコタツなんてのも車で運べるならできちゃいます。徒歩キャンプでも、電気毛布1枚くらいなら運搬可能。テント内での石油ストーブや薪ストーブは推奨できませんが、電気ストーブやセラミックファンヒーターなら一酸化炭素中毒の心配もありません。
ただ「家庭用コンセントと同じ」と言っても、ポータブル電源のようにワット数の上限が設けられているサイトが多いので、下調べは必要です。
2. 羽毛に頼る
もちろん化学繊維でも高性能な製品が出ていますので、羽毛に限った話ではありませんが、やはりシュラフ(寝袋)はスペックの高いものを選びたいですね。シュラフに表示されている「快適温度(comfort)」ギリギリではなく、5度〜10度の余裕を持つようにしてください。
また、羽毛製品はシュラフやジャケットだけではありません。アウトドアの専門店では、インナーダウン、ダウンパンツからダウンスリッパなんて商品も見つかります。FP(フィルパワー)というダウンの品質表示も判断材料にしてお選びください。
「頭寒足熱」ではありませんが、女性は特に下半身の冷えに注意です。足先が冷えると寝付けなくなってしまうので、就寝前から油断はできません。日が暮れる前から備えるように心がけましょう。
3. 冷気を遮断する
見落としがちなのが地面からの冷気です。都会では冬でも下はデニム一本だったりしますよね。とかく上半身の防寒だけに気を取られがちなのですが、長時間を外で過ごすキャンプとなると、底冷えがじわじわと両足を蝕んできます。その点、雪山用の靴はソールで冷気を遮断してくれる頼もしい味方です。
加えて就寝時は、シュラフだけではなく厚手のスリーピングマットやコットも必須になります。コットは地面から離れているとはいっても、布一枚。地面との間に荷物を格納することで、上がってくる冷気を防げますので、ぜひ本番の時は覚えておいてください。
ちなみに筆者はどこかで頂いたアルミシート入りのブランケットをもう何年も愛用しています。これが下に敷いても、上に被せてもいざと言う時に重宝します。災害用のアルミブランケットなどを常備しておいても良いですね。
それでも装備が整わなければ
いろいろ書きましたが、性能の良い防寒ギアはなかなか値が張って、すぐに揃えるのは難しかったりするものです。幸い今は、グランピングやコテージ泊、レンタルのキャンピングカーなどが充実しています。初めての冬キャンプは、そういった安心の設備からはじめてみるのも良いかもしれません。
あるいはかつての私みたいに、自家用車におうちの羽毛ぶとんを積んで車中泊! という手もあります。シートがフラットにならなかったので、寝にくかった記憶が残っていますが……。ただ、寒いからと言ってエンジンをかけっぱなしでのヒーターは厳禁ですよ!