軽キャンパーを手放す人も!?
さて、ここまでメリットだけを中心に軽キャンパーをオススメしてきましたが、少しトーンを落として、ネガティブな面にも目を向けていきましょう。普通の車とは違う、強い個性を持ったクルマが軽キャンパーです。長所もあれば短所もあります。
その短所に目をつぶることができないと、使用しているうちに不満が大きくなってしまいます。残念ながら、せっかく購入した軽キャンパーを短期間で売却してしまう人も少なからずいるのです。
今回は、軽キャンパーを手放す理由として挙げられることの多い「3つの要素」について、隠すことなく説明してまいります。読んでいてあまり面白い気持ちになれないかもしれませんが、購入前のご一読をおすすめします。
よく眠れない
この理由を最も耳にするように思います。前回は「軽キャンパーはよく眠れる!」と説いたばかりですが、それはあくまでも「テント泊」と比べての話です。家のベッドと比べてしまうと、眠りの質はどうしても下がります。
「キャンプ自体が難しい」という話になるのかもしれませんが、「枕が変わると眠れない」という方は必ずいらっしゃいます。他にも騒音や、明るさや、室温など……。テントと比べれば格段に寝やすいのですが「外から聞こえてくる他人の話し声が気になって」とおっしゃる方のお気持ちもよく分かります。
よく眠れないと、旅自体が楽しくならないし、運転をする上の支障にもなります。軽キャンパーの狭さも含めて「そこが旅の間の住居となる」という想定でご検討ください。同じキャブコンであっても、家具の配置やポップアップの仕方で、使い勝手はまったく違ってきたりします。
*同じ軽キャブコンでも室内はこんなに違います!
走らない!
この不満もよく耳にします。軽のバンコンであっても重量が増せば、馬力は落ちます。背の高いキャブコンともなれば、横風も強く受けます。これまで高性能な車のストレスフリーな運転に慣れていた方は、走り出しや坂道で必ず不満を感じることでしょう。
「登坂車線」が気にならない人じゃないと、軽キャンパーは合わないのかもしれません。抜かれたり、割り込みされたりでイライラしてしまう人は、速い車を選ばれた方が良いかも。
ただ逆に「1日の走行可能距離」が長くなったとおっしゃる方も多いのが不思議なところ。いつでも休憩できるという心理的要因もあると思いますが、カメやカタツムリになったつもりでゆっくりと、その代わり遠くまで行けるのが軽キャンパーの特性なのかもしれません。
メーカーや担当への不満
キャンピングカーならではの問題ですね。メーカーの良し悪しや相性も、失敗の原因となります。普通の車なら、大手メーカーが全国展開しているディーラーで販売されるものですが、軽キャンパーはその規模がぐっと小さくなります。
アフターケアや部品のストックから、担当さんの性格や社員の質まで。新しいメーカーさんもあれば、老舗メーカーもあり、委託販売だったり直営だったり、ユーザーにとっては実質的な問題となるところで大きく差が出てきます。中でも安全性能には十分に注意してください。
アドバイスとしましては「オーナーの『キャンプ大会』などが開催されているかどうか」も判断材料になるかと思います。同じメーカーの車種に乗っている人が、納車後も交流を続けているということは、何よりも心強い先例となりますからね。
軽キャンパーは新しい家族
様々なポイントで出来が良かったり、悪かったりするのが軽キャンパーです。我が子のように、大きな目で見守ってあげたいものです。私たちが車を選ぶように、車が私たちを選んでいると言ってもいいのですから。
そしてメーカーさんや、オフ会で出会った方々とも、家族付き合いのような関係が続けていけたら理想的ですね。結局、前回の「メリット編」と同じような結びとなってしまいますが、単なる車以上の「何か」がキャンピングカーにはあると思うのです。