軽キャンパーの維持費は安い?
知っている人は知っているし、よく訊かれることも多い「軽キャンパーって維持費は安いんでしょ?」問題。答えから言うと、そうですね、多少は安くなると思います。多少は……。でも今回の記事を最後までお読みください。筆者は結局「どっこい、どっこいかな?」と思ってます。
何と比べるか? 何を比べるか?
ひとこと「安い」と言っても「何と比べるか」によって異なります。白ナンバーの普通乗用車(排気量660cc超)と比べれば、「軽」ですから当然のように安くなります。でもそれでは、比べている対象がフェアじゃないでしょう。軽キャンパーは軽自動車同士で比べるべきですよね。
すると今度は「ナンバープレートの番号による軽キャンパーの違い」という前回の記事でご説明した法的区分が役に立ってきます。お読みになってない方は、ちょっと戻って復習なさってください。
それから「何を比べるか?」という問題。……つまり「何を維持費に含めるか」によっても結果は異なってきます。ガソリン代(燃費)や車検費用、駐車場料金まで含めて説明されていることもありますが、それらはお住みの地域や乗り方によって大きく左右されますので、一概には比べられません。
ナンバーによる維持費比較
*5ナンバー(軽乗用車)
これが基本ですね。人を乗せることを目的とした軽自動車。後部座席を「倒し」て車中泊をしていても、法律上は普通の軽自動車あつかいです。
*4ナンバー(軽バン・軽トラ)
荷物を運ぶことを主とした軽貨物車。後部座席を「倒し」たり「外し」たりした軽バンと、シェル(後ろのおウチ)を取り外せる軽トラ(モバイルハウス・トラキャン)が含まれます。
*黄色い8ナンバー(軽キャブコン)
軽キャンピングカーとして登録されている「黄色い8ナンバー」の特殊軽車両。構造変更が難しいので、ほとんどがビルダーさんで売っている、いわゆる「軽キャンピングカー」になります。
*白い8ナンバー(普通キャブコン)
居住スペースを確保するためにシェルの幅を広くすると、「白い8ナンバー」の特殊普通車両での登録になります。ベース車の排気量が660ccのままでも、軽の幅員規定を超えているので普通車あつかいなのです。
註) 表の金額はお住いの地域や車の仕様によって異なる場合があります。また2022年現在の制度を元にしています。
でもでも結局、安いかというと……!?
以上、ご覧のとおり「軽キャンパーの維持費」は若〜っ干お安くなります。ただし冒頭にお断りした通り、地域格差のある駐車場料金やガソリン代、4WDや2WD、ATやMTによる燃費差は含まれていません。
さらに見落としがちなのが軽キャンパーであるが故の経費増で、「車検」と「任意保険」は割高になることもあります。サブバッテリーなどの交換部品も増えますし、車両保険も高額になりがちです。
さらにさらに、自ら進んでお金を使っちゃうこともあります。可愛い軽キャンパーですから余計なアクセサリーでドレスアップしちゃったり、電装品をDIYしちゃったり……(ぜーんぶ筆者のパターン)。何より、より遠くに、より頻繁に、旅に出ちゃうようになりますしね!
気づいてみたら高くついた……なんてことがあり得ますから、「維持費が安い」というのは、パートナーさんに「軽キャンパーの購入交渉」をする際の殺し文句にとどめておきましょう。ご自分の中では「愛情の分だけ維持費も高くなる」と覚悟しておいてください。