歴史的快挙!
ほんのご〜く一部では報道のあった通り、つい先日の3月1日に「8ナンバーの構造要件」が改正されました〜。わーい、パチパチ〜。キャンピングカー業界では「歴史的快挙!」と喜びの声が上がっています。この入門を連載し始めて早4ヶ月。こんな奇跡が起こるとは思ってもいませんでした。
いや、実は筆者もよく分かってはいない*のですが、どちらにしろこの章は「8ナンバーの構造要件」についてお話しするつもりでした。それはオプションの話をする前に、ちょっと必要となる知識だからです。
結論から言うと、8ナンバーの軽キャンパーを選ぶと「ベッド」と「ギャレー(流し台)」と「コンロ」は最初から付いてくるよ、というお話です。つまりその3つはオプション選択の余地なしということです。8ナンバーである以上は必ず付いてきます。
……お察しの通り、今回は久しぶりの小難しい記事になりそうです。できるだけ分かりやすく、噛み砕いてご説明しますので、最後までお付き合いください(細かいところまでは分からなくても支障はありません)。
そもそも8ナンバーって……
「第7回」でも少し触れてはいるのですが「8ナンバー」というのは「特殊用途自動車」であることを意味します。特殊用途……消防車や介護車両などと同じ区分になります。自家用車や貨物車とは違う用途の車だと証明するナンバーですね。
法的な部分に言及すると細かくなるのですが、税金や車検が少〜し(2割くらい)お安くなるのと、軽トラキャブコンの場合、乗員が4名になるのが大きなメリットです。軽トラにシェルを載せていても、4ナンバーのままだと乗員は2人のままです。
この「軽トラなのに4人乗員」が一番大きなメリットになるのですが、そのためにはクリアしなければいけない条件(要件)があって、登録時や車検時に「8ナンバーを取れるキャンピングカー」であることを証明しなければならないのです。
8ナンバーの構造要件
その条件……すなわち「構造要件」も法的な規定は細かく、説明しようとすると長文になってしまうのですが、ざっくりと説明すると「就寝設備」「水道設備」「調理設備」がちゃんと備わっていること! ……となります。
*就寝設備(ダイネットベッド・バンクベッド)
大人が眠れるフルフラットなベッド(180cm×50cm)が装備されていること。シートを倒しただけとか、簡易マットを敷いただけでは認められません。ベッドの上の空間が低すぎてもダメです。
*水道設備(ギャレー)
10リットルの給水と10リットルの排水ができるタンクを装備していること。また、そこから水を汲み上げる蛇口(ポンプ)と、洗面台(流し台)が付いていること。洗面台は水が溜められる栓が付いてないといけません(細かい!)。
*炊事設備
20cm×30cm以上の平らな調理台とガスコンロが必要になります。軽キャンパーでも、小じんまりとした可愛いコンロが付いているものもありますが、たいていの場合、カセットコンロで済ませています。
ご説明したい事は以上です
そんなに難しい話ではありませんでしたね。たぶん。でも筆者は、契約時に「ギャレー要りません。そのぶん安くならないですか?」と訊いて、笑われてしまいました。「そうするとご家族が乗れなくなりますよ」って。
そんな恥ずかしい失敗を防ぐためにも、一応今回のことは説明しておきたかったのです。さらに詳しい内容がお気になる方は、国土交通省の正式なリンクを貼っておきますのでお読みください。回りくどい表現で細々と書いてあるのですが……。
国土交通省PDF : https://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/PDF/kubun-3-4-80.pdf
軽バンも8ナンバーに……???
冒頭でお伝えした2022年3月1日発布、4月1日施行の「新要件」に話を戻しましょう。こちらもまた大雑把に説明すると「ベッドの規定の緩和」と「室内高の規定の緩和」といった内容になります。最低「ベッドが1人分」あって「室内の高さが120cm」あれば8ナンバーが取得できるようになりました。
これは小さくて狭い軽キャンパーには朗報です。改定前は室内高が最低160cmの要件だったので、「軽キャブコン」じゃないと8ナンバーはまず取得できなかったのですが、ノーマルルーフの「軽バンコン」でも、120cmならクリアします。
そして「筆者もよく分かってない」と言ったのは、軽キャンパーの未来です。これでレイアウトに自由度が広がり、ベース車の車種も広く選べるようになることが予想されています。各ビルダーさんもこぞって、新しいアイディアを投入することでしょう!