パーツ・オプション編に入ります!!
本「軽キャンパー入門」も後半戦に突入、といったところでしょうか。ここから先は、軽キャンパーに必要な装備、不必要な装備を検討していきます。DIYする人も、オーダーする人も、各パーツやオプション選択の参考にしてみてください。
まず最初は「ベッド」から考えて行きたいと思います。「車中泊車」「キャンピングカー」と名乗る以上は、これが付いてないと話になりません。アイデンティティと言っても良い、最重要パーツでしょう。
ベッドの要件
人の体格はそれぞれ違いますし、快適に眠れる条件にも個人差がありますから、一概には言えないのですが、おおよそ次のような要件が必要とされています。
*ベッドの長さ(身長+20cm?)
人が横になって眠る時には、仰向けでも、うつ伏せでも、足のつま先が伸びますから、実際の身長より長い空間が必要になります。車の壁や座席に頭頂やカカトが突っかからないように「ご自分の身長+20cm」の余裕が欲しいところです。
*ベッドの幅(65cm?)
こちらも太っている人、痩せている人……、横向きに寝る人、丸まって寝る人……、人さまざまです。テントの場合「55cm」がJIS規格サイズと規定されていますが、雑誌などでは65cmとも表記されています。
*フラット部分の長さ
ビルダーさんの軽キャンパーを購入する場合は、フルフラットベッドはまず確約されていますが、DIYとなるといかに段差を解消するのかが重要な課題となります。少なくとも頭からお尻を超える部分(身長の2/3)がフラットじゃないと、快眠に支障が出るとされています。
快眠のために
*段差を解消
シートを倒しても段差が出てしまう場合は、その差に「すのこ」や「毛布」などを敷いて工夫している人が多いようです。簡易的ですが効果はあります。夜釣りの時などのちょっとした車中泊ならばこれで十分でしょう。
*厚めのマットを敷く
キャンプ用に厚さ8cmを超えるインフレータブルマットなどがリリースされています。それを敷いてしまうだけで、ちょっとした段差なら解消できます。テレビCMで話題の「トゥルースリーパー」などの家庭用でも良いでしょう。
*パネル(板)を敷く
人が上に乗っても「撓(たわ)む」ことのない厚いパネル(板)を敷いてベッドを作る人もいます。その上に厚めのスポンジを乗せて、布や(フェィク)レザーなどのテクスチャーを貼り、パネル裏をタッカーで止めれば、立派なベッドになります。
*後部座席を取り外す
DIYで行くなら、これが一番手っ取り早いかも。バンライフをしている人も、結局取り外している人が多いです。ただ元が5ナンバーの軽自動車の場合、後部座席を外すと車検や保険に影響が出てきます(詳しくは「第7回」をお読み下さい)。
*業者にまかせる
DIYが苦手な方は、「ベッド」だけのカスタマイズを施してくれるビルダーさんに依頼するのも良いでしょう。車種別の「ベッドキット」も販売されていたりもします。きれいな仕上がりの上、費用もさほどかかりません。
*軽キャブコンを買っちゃう!
プロの仕上がりを望むなら、トータルで設計されれている「軽キャブコン」が最強でしょう。ダイネットベッド(下)とバンクベッド(上)で4人まで就寝可能。たた、車種によってシートの作りはまちまち。好みで選べます!
使用状況を想定して快適な睡眠を!
誰もが毎日使用していて、分かっているつもりの就寝施設(つまり布団やベッド)も、限られた軽キャンパーの車内では、様々な工夫の源になります。変形ロボのようなギミックでベッド展開する車もたくさんあって、キャンピングカーの一番おもしろいポイントかもしれません。
あとは、実際に使用する場面を想定して検討しておくと良いでしょう。例えば夜中にトイレに行く場合の動線、お子さんの年齢に合わせた就寝の仕方……お子様は架装ベッドというキャンピングカーも多いですが、上段を喜んでいるのは最初のウチだけ。