石を使って3年? 10年?
無くても良いものを後回しにして、今回は「ペグハンマー」の出番となったのですが、これこそ……無くても何とかなりますねぇ。「石」があれば。正直、筆者は初心者の頃、10年以上も「石」で間に合わせてきました。

筆者以上のベテランさんでも、「石」で間に合わせ続けている人もいます。本格的に登山をするUL(ウルトラライト)キャンパーさんたちです。荷物を少しでも軽くするために、ハンマーの代わりに現地の「石」でテントを設営するのです。

キャンプ場でも、河原のサイトなら石はふんだんに落ちていますし、林間サイトでも少し探せばまず見つかります。芝生でよほど整備されたキャンプ場でもない限り、石が見つからなくて困ることはないでしょう。
どうせ買うなら高級品!?
しかし、キャンプ歴もそれなりになると、懐にも余裕が出てきて、良い道具が欲しくなります。テントに付属してきたアルミペグも曲がったり、折れたりしてきて、「ソリステ*」などの鍛造ペグに買い換えたくなるものです。

するとハンマーの方も、いつまでも「石」って訳には行かず、ペグ打ち専用のものが欲しくなります。ゴム製のヘッドやプラスティク製……ホームセンターなどでも、1,000円前後のお手軽価格で売っていますからね。

でも、どうせ買うなら、5,000円前後のしっかりしたものはいかがでしょうか? 「ペグ打ち」なんてキャンプの1日からすればほんの一瞬。ちょっともったいない気もしますが、良いものは良い。それなりの理由があるのです。
ペグハンマーのメリット
我慢すれば「石」でも代用できるのですが、ちゃんとしたハンマーは、やっぱり打撃感が違います。すると労力にも差が出てきます。特に地面が硬くて、刺さりにくいキャンプ場では、大きな差になります。

キャンプ場でよく観察していると、ビギナーさんとベテランさんでは、ハンマーの打ち方が違います。それもこれも良いハンマーを持ってこそ。柄の後方を持ってカーン、カーン! 小気味よく振り下ろせるのも、手がその打撃感を覚えてこそです。

キャンプで一番疲労が溜まりやすいのは、ペグ打ちと薪割りだと思いますから(当社調べ)、長く使うなら良い道具を選びましょう。次にオススメのペグハンマーをご紹介していきます!
お勧めペグハンマー
*Snow Peak / ペグハンマーPRO.
まずはなんと言ってもコレ。Snow PeakのPROシリーズ。シリーズというのは2種類あって、「PRO.S」の鍛造製ヘッドと、それより2〜3千円高い「PRO.C」の銅製のヘッドの2つです。

編集長の森風美は「PRO.S」にミズノのテニスグリップテープを巻きつけて長年愛用しています。Sの方がビギナー用とされていますが、それでもPRO。十分です。“S”はSteelの”S”かな?
「PRO.C」は銅(copper)の”C”なんでしょうね。きっと。金属にしては柔らかい銅が衝撃を吸収して、さらに心地よい打撃感を提供してくれるということです。筆者は試したことありません。
難点としては、定期的に銅製のヘッドを交換しなくてはならないこと。ペグを何本も打っているうちにだんだん潰れてきてしまうんですね(それがカッコ良いのですが)。交換用のヘッドもなかなかのお値段がします。
*MSR / ステイクハンマー
そしてもう一本。登山用の高機能ギアをリリースしているMSRから、超軽量なのにしっかりと打ち込める、ステンレス&アルミ製のハンマーです! 重量はSnow Peakのほぼ半分となって、312g!!

実際に使ってみないと分かりにくいんですが、ステンレス製ヘッドとのバランスが絶妙なんでしょうねぇ。鍛造ペグにも負けません。もちろん打撃感はSnow Peakに劣りますが、満足できるレベルです。
後は趣味で買いましょう?
他にも「村の鍛冶屋」や「OGAWA」や「ノルディスク」などからも、良いハンマーがリリースされていますし、定番の「コールマン」「キャプテンスタッグ」「ロゴス」などのハンマーも定評があります。

ヘッド後方の形状により、ペグが抜きやすかったり、栓抜きにも使えたりもしますので、後はデザインと好みで買っちゃいましょう。5,000円前後からの商品になれば、ネットのレビューで判断しちゃって間違いはないはずです。

それにしても謎なのは「ぶらん」と垂れ下がるストラップ(ベルト)です。こちらの記事でさんざん文句を書きましたが、「山本鞄嚢」さん謹製の「なちゅガール・オリジナルストラップ」もよろしくね!!



