4巻が届きました〜!!
刊行当初から編集部が追いかけているキャンプ漫画がございまして……皆さんもおそらくご存知の『もふっとキャンプ』、その第4巻が発売されました〜!! 先日早速、編集部にも1冊ご献本いただき、一気読み!!
WEB連載でも追いかけてきたのですが、間が空くとつい前回からの続きの内容を忘れてしまうんですよね。しかも1話を読むとすぐその次が読みたくなってしまうという……。こうして昔ながらの紙の本にまとめてもらえると嬉しいですね。
その人の好みに依るところもあるとは思いますが、この作品のような「可愛い!」くて「暖かい!」感じのする、文字通り「もふっ」とした「もふもふ感」のある作品は(何か日本語ヘンだな)、やっぱり紙の単行本で手元に置いておきたいものです。
『もふっとキャンプ』とは?
ただこちらの漫画、まだご存知のない読者さんも当然いらっしゃるでしょう。過去にこちら①とこちら②の記事でもご紹介してきてはいるのですが、駆け足でご説明させて頂きます(できれば併せてお読みください)。
作者は「佐倉イサミ」先生。SNSでは「漫画をかく柴犬。」と自己紹介されていますが、猫ちゃんがお好きなようで、キャンプの他にも自転車(ロードバイク)やグルメなど……多趣味を活かした執筆をなされています。
#もふっとキャンプ 4️⃣巻、本日発売です!
— 佐倉イサミ🔰もふっとキャンプ④10/11発売🏕️ (@sakura_isami) October 11, 2023
Amazon:https://t.co/cHlU8oiaml
ISBN-13 : 978-4910352862
いつも以上にたくさんの動物が詰まった1冊📕ぜひ読んで頂けたら嬉しいです🐻 pic.twitter.com/ZaDRBx0nuH
ですので動物ものだけでなく、他の代表作は「お茶の間スイーツガーデン」「29 時の朝ごはん〜味噌汁屋あさげ〜」「姫ばあちゃんとナイト」などなど……。人を主人公とした日常系、食べ物系を魅力的に描く漫画家さんです!
そして当『もふっとキャンプ』は、タイトル通りキャンプがテーマ!! 「なちゅガール」をお読みの読者さんなら共感や感心されること間違いない、キャンパーのツボを突いたネタも満載です!!
4巻の見所は!?
さて、その刊行も第4巻を数え、物語と登場人物(動物)の相関関係にもだいぶ厚みが増してまいりました(とはいってもそんなフクザツで難しいお話ではありません)。主人公となる3人(匹)をここでおさらいしましょう。
*熊井さん
まず、第1巻の第1話から主人公を張ってきたクマの「熊井」さん。某繊維メーカー勤務の社内SEというリアリティー溢れる設定で、お仕事では失敗ばかりでした。癒しを求めてキャンプに繰り出し、ギア収集とスキルアップに奮闘しています。
*猫田さん
謎多きミステリアスな存在だった「猫田」さんは、第2巻からその内面も描かれるようになりました。優秀な彼は決してキャンプをしたい訳ではなく、自らの野生を呼び覚ますために山に籠るネコさんです。
*マヤちゃん
3人目は第3巻から登場した元気っコ!! 何の動物か種類が不明の「マヤ」ちゃんは、自分のルーツ探しとしてキャンプを始めるのですが、運動神経抜群で、モノマネや声帯模写も得意な一方、細かいことは気にしない大雑把な性格が長所でもあり、短所でもあり……。
深読みレビュー
前回は、この物語に流れる不協和音に着目し、柳田国男「遠野物語」的に読み解くという深読みレビューを試みました(そして失敗しました)。でも、この一見ほのぼのとして、可愛く、癒し系の物語に、やっぱり何かを感じざるを得ないんですよね……。
ずばりそれは、ジャック・ラカン!! 「鏡像段階」や「大文字の他者」で説明される現代社会と自分のあり方、キャンプという趣味の魅力、自らの中に眠る自然……3人(匹)はそれを共通して「野生」と認識しているようですが。
精神分析医であるラカンは、人間の子どもも成長するにつれ、社会のしきたりやルール、他者との関係や、そこから確立されるアイデンティティーを「鏡」や「言語」を切り口にして説明しましたが、それは動物としての人が本来持っている資質とのギャップです。
動物が擬人化されているからこそ、本作品ではそれが際立ちます。様々な動物のおもしろ可笑しい生態として描写されもしますし、特に今回発動したマヤちゃんの特殊能力が「熊井」さん「猫田」さんの野生をどう映し出し……え〜っと、何が言いたいかというと……。
ここからが気になるところ!!
とにかく、そんな難しいことを考えずとも、誌面にちりばめられているキャンプ小ネタやあるある、可愛い動物たちに目を奪われているだけで、次々と読み進められちゃいますし、キャンプやお料理の知識も増やせます。
一見、何の関連性もないような「一話完結」のエピソードが綴られているように思えるのですが(だからこそ読みやすい)、その根底で3人(匹)を結びつける設定や背景もさり気なく丁寧に描かれ、すんなり入ってきます。
その3本の運命の糸が次第に距離を縮め、あざなえる縄のごとく1本に集約されていくのが本巻の見所でしょうか。ひょんな巡り合わせが重なり、いよいよあの3人(匹)が一緒にキャンプを挙行することになりました!!
ここまできたら「5巻も読みたい!」「続きが気になる!」という展開で、ますます目が離せなくなっていますっ!! 佐倉イサミ先生、これからの執筆も頑張ってください。そして「路草」さん、次巻もよろしくお願いします。