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コラム
キャンプ場開拓日誌*13
『山積した枯れ草のこと』

前回からの続き

毎回↑の通り「前回からの続き」という導入から始めている当連載ですが、今回は厳密に言うと前々回の記事からの続き。『山積する課題のこと』からの続きになります。場内に山積みになった3つの山についての話題でした。

「岩」「土」「枯れ草」の3つのお山です!

この時は極めてお気軽〜な気持ちで、読者の皆さんにこの3つの山々を有効利用したり、片付けたりするための良いアイディアをお伺いしたのですが……、お寄せいただいたアドバイスの中に、このような注意がございました。




発酵熱による火災

これは知りませんでした! 枯れ草を山積みにしたまま放置しておくと、中から自然発火して火事になってしまうというご指摘です!! 頂いたURL先の記事を読んでみると、業者さんの間では常識となっている注意のようです。

ここからちょっと、科学のお勉強に入ります!

山積みにしてある「干し草」や「木屑(木材チップ)」に雨が降り、水分が地面の方に染み入ると、中が腐葉土のように腐り始めますよね。ミミズやダンゴムシなどがそれを食べ、バクテリアが分解していきます。

要は腐った草や木材チップが発酵し始めるのですが、なんとその発酵熱により、中の温度が50℃〜550℃にまで上昇するというのです! それが松などの油分に伝わり、火災が発生するのだというメカニズム。

有名なレイ・ブラッドベリの小説「華氏451度」では、紙が自然発火する温度をそのタイトルに採用しています。華氏451℉と言ったら、摂氏にすると233℃。枯れ草だって、550℃にまで熱くなったら、そりゃ発火しちゃうでしょう!

全国でそういう火災の報告が多数あるそうです



枯れ草の山を崩す

そうとなったら「一刻も早く、枯れ草の山を崩さなければ!」という焦燥感に駆られました。謎の農具小屋(とウチで呼んでいる建物)の中から、こういう農具をひっぱり出してきました。たぶん「レーキ」と呼ばれるやつですね。

これで山積みになった干し草を引っ張り出します。これがなかなか一苦労。上の方の枯れ草は乾燥して軽くなっているのですが、下の方に行くにつれて潰れて重くなってきます。真ん中より下になると、水分を含んで腐葉土化が始まっていました。

地面に近いところではもう発酵して土になってました



草を切る

確かにご指摘のあった通り、このまま放置していたら熱を持って発火していたかもしれません。早めに崩しておいて良かったです。そして十分発酵して腐葉土となった土は、畑に撒いて使うことにしました。

これこそ「災い転じて福となす」ですね!

問題は、大量に残っている枯れ草です。まだ草の原型をとどめていて、そのまま撒くわけにも行きません。そこでまた、謎の農具小屋からこんな謎の道具を引っ張り出してきました。先日のBE-PAL付録の記事でも登場した「鉄包丁」です!

正式名称は分かりません。学生の頃に歴史で習った「石包丁」……って何でしたっけ? 今、調べてみたら稲穂を刈り取る道具のようですが、それに倣って「鉄包丁」と呼んでいます。これでザクッザクッと草を切り刻んで、細かくしていきます。

この鉄包丁がかなりの優等生〜♪

ハサミなんか使うより、ずっと大量の草を一度に切り刻めます。それに、体重を乗せて切る時のザクッと感が心地よい! かなりの力を要するので物凄く疲れますが、ガーデンシュレッダーもないので、これで頑張ります!!




枝を燃やす

そして鉄包丁では切れない硬めの小枝も大量にありますので、それは焚き火で燃やしちゃいます。腐葉土にしようとしてもなかなか腐りませんから。幸いここには、両親がいつの間にか購入していた強力な「焼却炉」もあるんです。

SOLO STOVEさんのボンファイヤーです!!

皆さんご存知、2次燃焼焚き火台の定番。一番大きい「ユーコン(φ68.5cm)」から「ボンファイヤー(φ49.5cm)」「レンジャー(38.0cm)」……と続くラインナップのうちで2番目に大きい子です。

2番目でもかなり大きくて、持ち上がらないほどです!

いずれキャンプ場に常設して、お客さんにも使って頂こうと思っているのですが、先ほど「焼却炉」と呼んだ通り、これがものすごい燃焼力!! 生乾きの薪でも、切ったばかりの生木でも、なんでも燃やし尽くしてしまいます!

2次燃焼によってトルネードする炎も美しく、見ていて飽きません。着火も、火を育てるのも簡単で、煙も少なくてケムくならない。そしてこれからの季節、寒〜い冬にもすごく暖かくなるんです!

この周囲に石を組んで暖炉を作る予定です♡



次回に続く

読者の方から頂いたご注意で始まった今回の記事。おかげさまで全ての枯れ草を取り除くことが出来ました。ほとんど家族総がかりで、一週間以上もかかる大掛かりな作業となりましたが、ご覧の通りスッキリしちゃいました!

いざ山がなくなってみると、ここだけでも結構広かったんだなぁ……と感慨深くもありますが、ここをケルヒャーで高圧洗浄して、ペンキでブロックを綺麗に塗って、OSBボードを張ってスクリーンにして……。

ドライブインシアターみたいにしようと思っています

プロジェクターもお客さんにお貸しして、皆んなで楽しく映画鑑賞……。夢は広がりますが、でもそれはまだずーっと先のお話。まずは地道な作業に勤しんでまいりますので、これからも読者の皆さんの応援お願いいたします!














Author
森風美
年間80泊するほどキャンプを愛し、女性でも楽しめるキャンプスタイルを発信しているキャンプ女子の森風美です。 幼少の頃からアウトドア好きな家族の影響で、キャンパーとして育ち、キャンプ歴は年齢=27年。