前回からの続き
毎回↑の通り「前回からの続き」という導入から始めている当連載ですが、今回は厳密に言うと前々回の記事からの続き。『山積する課題のこと』からの続きになります。場内に山積みになった3つの山についての話題でした。
この時は極めてお気軽〜な気持ちで、読者の皆さんにこの3つの山々を有効利用したり、片付けたりするための良いアイディアをお伺いしたのですが……、お寄せいただいたアドバイスの中に、このような注意がございました。
発酵熱による火災
これは知りませんでした! 枯れ草を山積みにしたまま放置しておくと、中から自然発火して火事になってしまうというご指摘です!! 頂いたURL先の記事を読んでみると、業者さんの間では常識となっている注意のようです。
山積みにしてある「干し草」や「木屑(木材チップ)」に雨が降り、水分が地面の方に染み入ると、中が腐葉土のように腐り始めますよね。ミミズやダンゴムシなどがそれを食べ、バクテリアが分解していきます。
要は腐った草や木材チップが発酵し始めるのですが、なんとその発酵熱により、中の温度が50℃〜550℃にまで上昇するというのです! それが松などの油分に伝わり、火災が発生するのだというメカニズム。
有名なレイ・ブラッドベリの小説「華氏451度」では、紙が自然発火する温度をそのタイトルに採用しています。華氏451℉と言ったら、摂氏にすると233℃。枯れ草だって、550℃にまで熱くなったら、そりゃ発火しちゃうでしょう!
枯れ草の山を崩す
そうとなったら「一刻も早く、枯れ草の山を崩さなければ!」という焦燥感に駆られました。謎の農具小屋(とウチで呼んでいる建物)の中から、こういう農具をひっぱり出してきました。たぶん「レーキ」と呼ばれるやつですね。
これで山積みになった干し草を引っ張り出します。これがなかなか一苦労。上の方の枯れ草は乾燥して軽くなっているのですが、下の方に行くにつれて潰れて重くなってきます。真ん中より下になると、水分を含んで腐葉土化が始まっていました。
草を切る
確かにご指摘のあった通り、このまま放置していたら熱を持って発火していたかもしれません。早めに崩しておいて良かったです。そして十分発酵して腐葉土となった土は、畑に撒いて使うことにしました。
問題は、大量に残っている枯れ草です。まだ草の原型をとどめていて、そのまま撒くわけにも行きません。そこでまた、謎の農具小屋からこんな謎の道具を引っ張り出してきました。先日のBE-PAL付録の記事でも登場した「鉄包丁」です!
正式名称は分かりません。学生の頃に歴史で習った「石包丁」……って何でしたっけ? 今、調べてみたら稲穂を刈り取る道具のようですが、それに倣って「鉄包丁」と呼んでいます。これでザクッザクッと草を切り刻んで、細かくしていきます。
ハサミなんか使うより、ずっと大量の草を一度に切り刻めます。それに、体重を乗せて切る時のザクッと感が心地よい! かなりの力を要するので物凄く疲れますが、ガーデンシュレッダーもないので、これで頑張ります!!
枝を燃やす
そして鉄包丁では切れない硬めの小枝も大量にありますので、それは焚き火で燃やしちゃいます。腐葉土にしようとしてもなかなか腐りませんから。幸いここには、両親がいつの間にか購入していた強力な「焼却炉」もあるんです。
皆さんご存知、2次燃焼焚き火台の定番。一番大きい「ユーコン(φ68.5cm)」から「ボンファイヤー(φ49.5cm)」「レンジャー(38.0cm)」……と続くラインナップのうちで2番目に大きい子です。
いずれキャンプ場に常設して、お客さんにも使って頂こうと思っているのですが、先ほど「焼却炉」と呼んだ通り、これがものすごい燃焼力!! 生乾きの薪でも、切ったばかりの生木でも、なんでも燃やし尽くしてしまいます!
2次燃焼によってトルネードする炎も美しく、見ていて飽きません。着火も、火を育てるのも簡単で、煙も少なくてケムくならない。そしてこれからの季節、寒〜い冬にもすごく暖かくなるんです!
次回に続く
読者の方から頂いたご注意で始まった今回の記事。おかげさまで全ての枯れ草を取り除くことが出来ました。ほとんど家族総がかりで、一週間以上もかかる大掛かりな作業となりましたが、ご覧の通りスッキリしちゃいました!
いざ山がなくなってみると、ここだけでも結構広かったんだなぁ……と感慨深くもありますが、ここをケルヒャーで高圧洗浄して、ペンキでブロックを綺麗に塗って、OSBボードを張ってスクリーンにして……。
プロジェクターもお客さんにお貸しして、皆んなで楽しく映画鑑賞……。夢は広がりますが、でもそれはまだずーっと先のお話。まずは地道な作業に勤しんでまいりますので、これからも読者の皆さんの応援お願いいたします!