久しぶりにご本の紹介です
なちゅガールをいつも愛読してくださっている方々、特に「ガールズ」にはオススメしたい、素敵なご本が刊行されました! いつもは車で旅をしながら絵や文を書いていらっしゃる「いとうみゆき」さんによる新刊です!!
表紙をご覧になればお分かりになると思いますが、可愛い! ほっこり! 癒される! 本屋さんに並んでいたら、本のタイトルなんて見なくても、内容なんて分からなくても、思わず手に取ってしまいたくなる装丁です。
そしてパラパラと頁をめくれば、淡く優しい色使いのイラストが目に飛び込んできて、しばしの間、目がコマを追ってしまう……。書かれいる詩のような、リズムの良い言葉に時を忘れてしまう……。
いとうみゆきさん
以前なちゅガールでは、いとうみゆきさんの処女作『車のおうちで旅をする』をご紹介しました。思い立ったようにノープランでニュージーランドに渡り、英語もほとんど喋れないのに中古車を購入しての大冒険をされた体験記です。
でも、もうこの絵から。そしてたぶん「いとうみゆき」さんのお名前からも、熱心ななちゅガール読者さんならお気付きだと思います。編集長の森風美の2冊目の本、『はじめての”ぷち”キャンプ』の絵を描いて頂いたのもみゆきさんでした。
編集長が大学生の時からあたためていた企画。具体的な「キャンプ入門」の本を読む前に、最初にお読み頂きたい”ぷち”キャンプの本。そんな繊細な(微妙な?)企画意図を汲み取って頂き、とても素敵な一冊に仕上がりました。
「キャンプってちょっと興味あるな」「やってみたい気持ちはあるけど大変そう」「何からどう始めたら良いか分からないし、訊ける人もいないし」……という曖昧で、捉え難い気持ちをマンガに昇華してくださったのです。
今回の新刊と同様、パラパラと読み進めているうちにキャンプに行きたくなっちゃう、できる気になっちゃう……魔法の一冊。キャンプに誘いたいご友人がいたら、ポンっと手渡すのに最適。プレゼント用としてもオススメの一冊です。
チェアリングとは?
さて、今回のご本はタイトルの通り「チェアリング」がテーマ。ご存知のない方もいらっしゃるでしょうか? イスの「チェア(chair)」に現在進行形の「ing」を付けてチェアリング。言葉としては「ただイスに座ること」という意味です。
ライターの「スズキナオ」さんと「パリッコ」さんが世に生み、広められたこの言葉、このアクティビティ。数年前からブームとなって、なちゅガールメンバーでは「グッピーこずえさん」が動画でよくその様子を披露されています。
キャンプのようにテントを立てるわけでもなく、ピクニックのようにシートを広げるでもありません。ただアウトドア用のチェアを持って行って、林で、河原で、公園で……イスに座るだけのアクティビティ。
そ・れ・が!! この本をお読みになるだけで「それだけ」じゃないことがお分かりになるんです。そしてその実際を私の文章力でお伝えするには限界がありまして……やはり、いとうみゆきさんの魔法は偉大です!!
ぜひ手に取って体験してください!
それでも少しの文章化を試みますと、青空の気持ち良さ、夜明けの神聖さ、雪原の静寂感……文字で説明されなくても、みゆきさんのタッチや色使いによって、チェアリングを通して体験できる自然の豊かさが伝わってきます。
それは何も特別なものではなく、ちょっとした気付き。ニュージーランドの大自然よりも、キャンプ場の風景よりも、ずっと些細で見逃してしまいそうな日常の一部。いつもと視点を少し変えることで、見えてくる新鮮な世界の捉え方。
コンビニで買った飲み物やお酒、つまみに買ったお惣菜にまで、感覚の変化をもたらします。一人でチェアリング。友だちとチェアリング。仲間とチェアリング。さらには何気ない会話や考え事にも影響をもたらして……。
巻末で登場されるチェアリングの生みの親、「パリッコ」さんと「スズキナオ」さんとの場面になると、あぁ……結局自分が変わったことで、景色や味や、思うことや喋ることが変わっていくんだな〜と気付きました。
……ダメです。それでも私の文章力では、伝え切れてない気がしています。やはり本書を手に取って、いとうみゆきさんの文と絵で体験をしてみてください。そして実際に、お気に入りのチェアを持ち出して、チェアリングを体感してみてください。