防災編のラストになります!!
震災と水害が心配な8月でした。それは来月、9月になっても変わりません。台風の到来は秋になってからが本番ですし、地震に季節はありません。本来なら、いつこの稿を起こしても良かったのです。
ですがやっぱり宮崎、神奈川、オホーツクなどでの地震が続くと、危機意識も高まりますよね。記事も真剣にお読み頂けるのではないかと思います。……というとで急遽、なちゅガールにしては珍しい集中連載でお送りすることになったのです。
特に前回の「②避難編」は、編集長からも良記事だったとのお墨付きをもらいました。我ながら、防災のお話であまり触れられない盲点を突けたのではないかと自負しています。ぜひ、お読み頂けると幸いです。
そして今回は3回に渡る連載の最後。「③生活編」となります。今回もキャンパー目線、なちゅガール目線で、留意したい点を3つにまとめています。他とは(たぶんちょっと)違った提案に考えを巡らしてみてはいかがでしょうか?
サバイバル&ブッシュクラフト
せっかくキャンプを趣味に持っているのですから、少しずつその知識とスキルを高めていきましょう。災害時に物資が不足することは必須です。自然の物を利用するサバイバルやブッシュクラフトの知識は必ず役に立ちます。
災害関連のサイトなどでは「ティッシュで芯を作ってツナ缶の油でランプを作る方法」や「懐中電灯の光をペッドボトルで散らしてランタンにする方法」などが定番のように掲載されています。
そこから発展して食べられる野草や、飲み水の確保など……食糧関係はもちろん、ナイフの使い方や火の起こし方に詳しいと、あらゆる場面で役立ちます。おかずを一品増やしたり、調理法のレパートリーが増えたりなど、何かと頼りにされますよ。
さらにロープワークなども覚えておくと、救助や復旧作業の中で役立ちます。大切なのは楽しみながらスキルアップを心掛けること。「防災」というとネガティブなイメージもありますが、「遊び」と考えればやる気がでませんか?
文明の利器もステップアップ
そしてまた、ブッシュクラフトとは真逆のベクトルにも向かいます。最新のハイテク機器、アウトドア用家電もアップデートを計りたいものです。災害時に流儀やプライドは捨てましょう。「ナイフ1本で生き延びてやる!」なんて意気込む必要はありません。
まず欲しいのはポータブル電源とソーラーパネルのセット。最新のものは性能も良く、地面に広げるタイプのパネルでも、発電量はなかなかのものです。私の友人には、これで毎月の電気代を浮かせている御仁もいます。
ポータブル電源があれば車載用冷蔵庫やIHの調理器、炊飯器や湯沸かし器なども使えるようになりますので、避難生活がだいぶ楽になります。火起こししてサバイバル……も楽しめればOKですが、無理しない、頑張らない姿勢も大事です。
ちょっと散財して、次は何のキャンプ道具を買おうかな〜という時に、ぜひこのようなシステムを頭の中で組み立ててみてください。キャンプも楽しくなるし、防災の安心もできて一石二鳥です。
メンタルケアとグリーフケア
最後に大切にしたいのは心の問題です。第1回の「①備え編」から触れてきましたが、キャンパーたるもの、避難生活でもキャンプ同様に「自分はできる!」という強い心意気が必要です。出来たらその生活も楽しんじゃうくらいの余裕もあると良いでしょう。
意外と知られていないのが「災害関連死」の深刻さです。震災の直接的な原因ではなく、避難生活が始まってから、その中で亡くなってしまう方々の多さです。慣れない避難生活とストレスなどが原因で命を落としてしまうのです。
約1万8千人の方が亡くなった東日本大震災では、後になって2,000〜3,000人の方が「災害関連死」で亡くなったとされています(関連ですので厳密には定義されていません)。数字を見ると侮れない、驚くほどの割合ですね。その原因は……。
・ストレスによる身体の異常
・不衛生な環境による体調の悪化
・栄養不足や食欲不振による衰弱死
・車中泊中の静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)
・災害復旧作業中の過労死
などが挙げられます。頑張り過ぎもいけないんですね。そしてもちろん、住む家がなくなったり、大切な人を失ったり……決して癒すことのできない心の傷を負うこともあるのが災害です。こればかりはどうにもなりません。
楽しく防災、楽しくサバイバル!!
楽しくお送りしたかったのですが、最後はちょっと深刻なお話になってしまいました。でもやっぱり、災害そのものを避けることはできないとしたら、少しでも明るく元気に対策し、対処できるようにしたいものです。
そして自信を持ちましょう。キャンプという趣味と防災は親和性が高いのです。素晴らしい趣味を持っていることを誇りに感じましょう。そしてこれからも楽しく、防災のことも前向きに考えて、キャンプを続けていきましょう!!