充電方法を考えます!!
ちょっと小難しい話が続いていた「電源編」も最後になります。ザックリ振り返れば、「直流」と「交流」という2種類の電流があり、「サブバッテリー」と「ポータブル電源」という2種類の蓄電方法があることをご説明してきました。
最後となる今回は「充電システム」についてのご説明をし、読者の方が最終的にどのような決断をすべきか、その判断の一助になればと思います。軽キャンパーの充電方法は、大きく分けると「走行充電」「ソーラー充電」「外部電源(コンセント)」の3つになります。
走行充電
DIYしちゃう達人も稀にいますが、基本的に「走行充電」はビルダーさんにシステムを組んでもらいます。「アイソレータ方式」や「リレー式」などの、難しい充電システムへの理解が必要になるからです。
大まかな原理としては、どの車にもついている発電機(オルタネーター)から、どの車にもついているメインバッテリーへ給電する配線を分けてもらって、サブバッテリーに充電させちゃおうというもの。メリット、デメリットもそれぞれあります。
*走行充電のメリット
走っているウチに勝手に充電してくれるのは本当にラク! 室内灯やファンなどを何も考えずにON/OFFできるし、毎日走行しながら連泊していく車中泊スタイルに最適。あまり電気を使わない人なら、走行充電だけで十分!?
*走行充電のデメリット
バッテリーが空になった時、エンジンをかけないと充電されないので、キャンプ場での連泊などには不向きです。また、家庭用電化製品のコンセントを挿すためには、インバーターを設置する必要があります。
ソーラーパネル充電
今回の3つの中では一番費用がかさむシステムではあるものの、10年前と比べれば発電性能も3〜4倍に上がり、価格もこなれてきました。大型キャンパーでは1000W(ワット)の大容量パネルを搭載するものもありますが、軽キャンパーだと200Wあたりが上限かな?
ポータブル電源とソーラーパネルが同メーカーのセットで販売されている場合は、コードで繋げるだけで手軽に扱えますが、車の屋根からサブバッテリーに給電させる場合は、やはりビルダーさんに施工をまかせた方が安心です。
*ソーラーパネルのメリット
走らなくても、コンセントに繋げなくても、晴れていれば常に給電。キャンプ場などに連泊していても、少しずつ電気を供給してくれます。走行充電と組み合わせれば、いつもバッテリー満タンの車中泊旅だって可能です。
*ソーラーパネルのデメリット
良くはなったといっても、天候やシステムの組み方に左右される要素が大きく、正直まだメインを張れる充電システムとはいかないところ。スマホやパソコンなどの小電力機器に給電する程度のものだと割り切った方が良いかもしれません。
(外部)コンセントで充電
くくりつけの「サブバッテリー」へは「外部電源取り込み口」を取り付けてもらい、車内に配線を導きます。キャンプ場の電源サイトなどからひっぱってきて、バッテリーの充電にも、そのまま使用するコンセントにも使えます。
持ち運べる「ポータブル電源」の場合は、自宅のコンセントやお店のコンセント(ちゃんと断ってね)、キャンプ場のコンセントなどから充電します。大型のものを1台持つ人と、小中型のものを複数台使い分ける人がいます。
*(外部)コンセントのメリット
コンセントから充電できればイチバン確実。ハイパワーで安定しているので、短い時間でフル充電できます。またポータブル電源なら、災害対策用としてお部屋や避難所の中でも独立して使えるのは安心です。
*(外部)コンセントのデメリット
一番のデメリットは「充電の待ち時間」、つぎに「バッテリーそのものの重さ」でしょうか? 出かける前に充電し忘れたり、積み降ろしが億劫になってくると、次第に「なくてもいいや!」って思っちゃうことも!?
徐々にステップアップ!?
筆者の独断になるかもしれませんが、お金がかけられるのなら、ビルダーさんに走行充電システムを組んでもらっちゃうのがオススメだと思います。「鉛バッテリー(寿命3年程度)」から始めて「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」にステップアップしたり……。
軽バンコンのDIYなどで初期費用を抑えたいならば、ポータブル電源一択になると思います。いきなり大型のものをドーンと買うよりも、中型程度のものを1台試してみて、必要に応じて2台目にステップアップするのが賢明でしょう。