着火剤開発への挑戦

松ぼっくりを着火剤化するために「飽くなき挑戦をする!」と誓った我が開発部は、「第一回」、「第二回」、「第三回」の開発を重ねて、松ぼっくりに飽きてしまいました! ……というか「蝋をコーティングするだけ」という既存の発想で、ある程度の成功をおさめてしまったので、満足してしまいました。

しかし! 毎回記事の末尾で「アウトドアの楽しさをお伝えしたくて、日々おもしろいことを探しています」と謳っている編集部ですから、その後も既存の発想に甘んじることなく、新たな方法を模索し続けてきました!

それは写真でご覧のように、ヘタっぴな「フェザースティック」しか作れないからではございません。決して、断じて、絶対に、多分、おそらくございません。もっと深い理由があるのです。それは……ナイフで木を削るのが苦手だからです。

豆かんな

ということで、ナイフ裁きに自信のない方でも楽に木を削れる方法がないか思案していたところ、100円ショップのキャンプ用品コーナーで「カンナ屑」が売られているのを発見しました。両手で抱えるくらいの「カンナ屑」が、もしゃもしゃと袋に入って100円です。

「ならばいっそ、カンナ本体を買っちゃった方が早いんじゃないか?」 そう考えた開発部が、ネットショップで探してみたところ……出会ってしまいました! まさに「なちゅガール」にピッタリなカンナに! 何がピッタリなのかというと……ジャーン、見てください!!

可愛くないですか? このカンナ!? 隣のマッチ箱と比べてみても、手のひらサイズ! というより手のひらサイズ以下!! 「カンナ」というと、どうしても大工さんが使う大きな物をイメージしがちですが、その分、この小っちゃい「豆カンナ」ちゃんとの出会いは衝撃的でした!

実験&結果

そーとなれば早速、お得意の実験に入ります。まずはカンナの刃が引っ込んでいたので、ハンマーで叩いて調整します。中学の時「技術・家庭科」の授業で習った通り、出す時は刃を叩き、引っ込める時は台の頭を叩きます。

親指でなぞってみて、少〜し刃が引っかかるようであれば準備OK! 手元にあった薪(針葉樹材、たぶん杉)を削っていきます。最初は表面の筋が削れて、細〜い屑が出てきましたが、すぐに平べったい屑が削れるようになりました。着火剤には丁度良い感じ!

そして今回は「最強の敵」を用意しました! 「備長炭」くんです! 火の着きにくいことで有名な高級品。ベテランキャンパーご用達の品です。そして闘いのリングとなるのはいつもの「B-6君」。あまりにも簡単に削れるので、思わずこーんなにてんこ盛りになっちゃいました!

マッチ一本で着火。簡単に火がつき、みるみる燃え広がります。松ぼっくりの時より断然早いスピードです。というかこの風景は前にも見たことあるような……完全に「デジャヴュ」ですね。これなら今回も成功しそうな予感がします!

ところが、あっという間に燃え上がって、あっと言う間に燃え尽きてしまいました。その間わずか1分半あまり。「備長炭」くんの方はコゲひとつ付いていません。1ラウンド3分ももたずにノックダウンです。

勝負には負けましたが……

今回は敵が強すぎました。さすが最強の敵「備長炭」くん。そういえば「備長タン」ってキャラ、昔いましたよね。あの娘なら弱かったかもしれないのに……。なんて逃避している場合じゃありません! 現実を分析しましょう。

そもそもこの「豆カンナ」って、「フェザースティック」の代用品としてならば、ラクに削れるという時点でその用途は果たしていたのではないでしょーか? 普段の焚き火ならば、立派に役に立つはずです。削った後の薪はこんな感じに残ったのですが、時間も労力もずっと少なく済みましたし。

結論として……どうでしょう? あなたのキャンプギアに加えてみたい気持ちにはなりましたか? ナイフと違って、車に積みっぱなしにしておいても「銃刀法違反」に問われません。何より小っこくて可愛い割に、職人っぽくて玄人感もあり、話のネタにもなるアイテムです!