貰い物で実験です
昨年みなさんにご紹介いたしました2つのアイテム。お米の籾殻を再利用してして作られた新しいアウトドアスポーツの『モミック』と、コンパクトでありながら基本を抑えた卓上焚き火台『卓火 TAKUBI』くん……。
『モミック』さんからは、まさにその籾殻の原材料となったお米「つきあかり」……福島県西郷村産でこれがまた、最高に美味しい〜んです! お米の一粒一粒がつやつや、モチモチ!! 昨年食べた新米の中でもピカイチの味でした!!
そして『卓火 TAKUBI』くんの方からは、社長さんが最近ハマっているという羽釜! ブランドはちょっと分かりませんが、キャンプで羽釜と言えば『UNIFRAME』の「キャンプ 羽釜」が有名です。リリース時に「美味しく炊ける!」と話題になりましたね。
ライバルはメスティン!
今回、その比較対象となった可哀想な候補者は「メスティン」ちゃんです。「焼く」「蒸す」「揚げる」……何にでも使えるその万能っぷりに、編集部もさんざんお世話になってきました。
……というわけで、メスティンの炊け具合に不満はまったくないのですが、それがさらに美味しく炊けちゃう!? 羽釜の実力を見せてもらうために、同じお米と、同じ炊き方で、比較実験を挙行してみることにしました!!
どちらもお米を1合分、水に30分浸けた後に、固形燃料のみで熱します。いつものやり方です。こちらの羽釜は1合炊き、つまりソロキャンプにぴったりサイズ。小さくて丸っこいフォルムも可愛い〜んです!!
炊飯開始!!
羽釜で炊く時はもちろん卓火くんを使用してっと……スポッ! わお! 卓火くんにジャスト・イン・サイズ!! 固形燃料から釜の底まで3〜4cm、炎からの距離感もシンデレラフィット! さすが社長さん推奨だけのことはあります!
少し遅れて、メスティンの方にも着火しました。BE-PALの付録だったミニミニ焚き火台に固形燃料をセットして……何度もやり慣れた、いつもの炊き方です。固形燃料の燃焼時間(約20分)ぴったりで、美味しくお米が炊き上がるんですよね。
ただご存知の通り、メスティンはアルミ製の薄〜いお鍋。それに対して羽釜くんは、分厚い鉄の底(こちらもアルミ製かな?)。これで本当に固形燃料の火が通るのかなあ……? しばらくして羽釜から湯気が立ち始めるまでは、ちょっとだけ不安でした。
炊飯中の様子
ところがです! 遅れてメスティンの方からも湯気がモクモク……どころか、モクモクモク〜ぅ!! なんだ、この差はっ!? でも、そーだった。メスティンで炊く時は、いつもこれぐらい湯気が出るんだった。すると羽釜のこの控えめな湯気の量は……!?
またまた不安が頭をもたげてきました。しかし「赤子泣いてもフタ取るな」の言い伝え通り、途中で中を見る訳にはいきません。20分をちょっと超えるぐらいで固形燃料が燃え尽きたので、タオルでくるんでそのまま蒸らしに入ります。
5分差くらいでメスティンも燃え尽きました。同様にタオルでくるみます。が、ここで一つヤラかしました。いつもはメスティンをひっくり返してから蒸らすのですが(これが基本)、そのままの位置で蒸らしてしまいました。
炊き上がりは?
さてさて、それでは中を見てみましょう! 湯気があまり出ていなかったので、水分が残っておかゆ状態になっているかもしれません。おそるおそる木製のフタを開けてみますと……パカっ! ほわ〜っ!!
成功です!! 美味しそうに炊けています!! お杓文字で軽く底までかき混ぜてみても、おコゲもなく、ふっくらツヤツヤ!! おウチでも炊いていた「つきあかり」の、粒が立ってモチモチしてる感がしっかり再現されています。
そしてメスティンちゃんの方も……当然のようによく炊けています! こちらもツヤツヤもちもちで美味しそう。先にこちらから味見してみましょう。うん、美味しいです。自宅の炊飯器で炊いたのと遜色ない感じ。申し分ありません。
羽釜の実力
羽釜くんの方を一口食べて思ったのが「あれ? 香りが違う?」でした。どこか懐かしいような木の香りが……。ああ、そうですね。これは木製の蓋の香りです。木製のお櫃に入れたご飯のように、木の香りが移っているのです。
でもでも、これって羽釜の実力でしょうか? 昔から「木炭を釜に入れて炊く」なんて方法もありますから、お釜本来の実力じゃないような気もします。……なんてことを考えながら交互に食べ進めていると、んっんっんっ〜?
なんだか芯があるような……。いや、芯までは行かないけど炊きムラのようなものが……。これはメスティンちゃんで炊いたご飯の方です。比較しながら、注意深く味わわないと気付きませんが、確かにムラがあります。
蒸らしでひっくり返さなかったことも原因なのかもしれませんが、編集部はこれをメスティンの四角い形状と、お釜の丸い形状の違いによるものだと考察しています。炊いてる時の姿を見ても、角の方まで火が通りにくそうですもんね。
よく断面図で説明されるように、羽釜くんの中ではお米が踊り、ムラなく芯まで炊けたのかもしれません。湯気が少なかったのも、フタの密閉効果のおかげかも? 本当の原因までは追求できませんが、固形燃料ひとつでこれだけ炊けちゃう羽釜くんって、スゴ〜い!!